分数計算ができない、でも生きていける。 | ★コピーライターが思わず ! となったコピー。

分数計算ができない、でも生きていける。

いきなりで恐縮だが、1/2+1/3はいくつ?
「そんなの簡単、1/5」と答えたそこのあなた、大丈夫?
 
★今回の!なコピー
 

森が心配です。
海が心配です。
算数が心配です。
 
 
数研出版の広告。寂寥感漂う浜辺(しかも朽ちた小舟が
突き刺さっている)のビジュアルにこのコピー。
 
環境への取り組み>かと思ったら、
算数への取り組み>だった。
最近は、子どもの学力低下に対する危機感が
よく話題になるが、ついに環境問題と同等の
レベルにまでなったのか。
 
子どもの算数嫌いが、どの程度のものなのか、
はっきりと分からないが、分数の計算ができない
大学生がいるとか、小学校の算数ができない
大学生が10人に2人
いるというご時世なので、
<チャート式>の参考書で知られる、
数研出版>もだまっていられなかったのだろう。
 
先日、子どもの学力低下を憂える学者らが、
「学ぼう!算数」という算数の「検定外教科書」
を作ったというニュースが報道されたが、
その版元が<数研出版>である。
執筆者の中には「分数ができない大学生」
編著書で知られる西村和雄氏(京都大経済研究所教授)
の名もある。
数学の参考書の老舗として、本腰を入れ始めたようだ。
 
この広告では、算数は考える力、発想力を
養う上でたいへん重要だと伝えている。
世の中、便利になればなるほど、人は楽ができる
わけだが、発想したり工夫したりすることは
少なくなる。あまり頭を使わなくてもなんとか
生きていけるのだ。
なにせ分数の計算ができなくても、
快適に暮らしていける世の中なのだ。

 

だが、確実に社会も国もゆるやかに衰退していく。
それを考えると、環境破壊と同じくらいの
怖さを感じてしまう。
一見、紹介したコピーの表現をおおげさと感じる
かもしれないが、よく考えるとそうも言えない
ところに、問題の深刻さを感じてしまう。
 
昔、「数学できんのがなんで悪いんや!」
逆ギレしながら、教師や生徒を射殺する高校生を
描いた『高校生大パニック』という映画が
あったが、いまや算数ができないと悪いのである。
おそらく分数ができないのは、大学生だけではなかろう。
いい年した社会人の中にもけっこういるはず。
 
ところで、冒頭の分数の計算だが、正しい答えは

お分かりだろうか。
もし間違っていたら、逆ギレせずに頭の体操がてらに

小学生の算数を復習してみるのもいいかもしれない。
 
※分数の正しい計算方法はコチラ