65.遺書 | いつかまた君と会う日のため(自殺・自死遺族ブログ)

いつかまた君と会う日のため(自殺・自死遺族ブログ)

2013年12月、最愛の妻をうつ病による自死で亡くしました。
結婚して1年1ヶ月、あまりにも短すぎました。
体に障害があったけど、懸命に生きていた妻。
妻の事を忘れない為、初めてブログを書きます。

控室に戻ると、私の両親と一番下の弟が来ていた。



弟は私を見るなりハグをした。




「葬儀社など、決められた所はありますか?よろしければ病院と提携している葬儀社を紹介します。

奥様のご遺体は今晩中しか置けませんので、お決め頂くようお願いします」


病院のスタッフにそう言われた。



葬儀社か、、。


そんなもの事前に知っている訳がない。



「俺に任せとけよ。俺が探すから、とりあえず見つけたら教えるよ。」


弟がスマホで色々調べてくれた。




数分後、、、。


「ここでいいか?」


そういってスマホで基本の予算みたいなものを見せてくれた。


正直高いのか安いのかすら分からない。



「うん。そこでいいよ。」

私はとりあえず、そう答えた。



「葬式はどこでやる?こっちの方でやるか、うちの地元でやるのか。」

弟にそう聞かれて、考えた。



妻の両親に聞いても、もともとお寺との付き合いもないし、全て私に任せると言ってくれた。



なので、私の地元でやることにした。



葬儀場も、私の祖父の時と同じところですることに決めた。




ここまで決めるのは、全てが慌ただしかった。


短時間で決めなければならず、とても死を悼んでいる暇などない。



回らない頭の中、本当に弟に助けられた。




控室に戻ると、机の上に妻のカバンが置いてあり、横に紙切れみたいなものが置いてあった。




これは、、、、まさか、、、、。




恐る恐る聞いてみた。



「この紙は何?」



そう聞くと私の母が答えた。

「私があみちゃんのカバンをもう一回調べてみたらね、、、。このカバンのポケットから出てきて、、、。」




私はその紙切れを、手に取った。




それは小さなメモ用紙だった。



あみちゃんの大好きな、ディズニーのキャラクターのメモ用紙、、、。



その小さなメモ用紙を4つ折りにしてある。



私はゆっくりとメモ用紙を開いた。




小さなメモ用紙に、本当に小さな文字で書かれていた。




「生きることに疲れました。迷惑をかけて、また悲しませて本当にごめんなさい。」




それは妻の遺書だった。



これは遺書と言えるものなのか?



正直、この文字を見た時も、とても妻の本心だとは思えなかった。






これだけ?


本当にこれだけなのか?



全く私が知っている妻らしくなかった。




涙は出ず、深い、本当に深いため息しか出なかった。







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