56.最後の5日間(三日目) | いつかまた君と会う日のため(自殺・自死遺族ブログ)

いつかまた君と会う日のため(自殺・自死遺族ブログ)

2013年12月、最愛の妻をうつ病による自死で亡くしました。
結婚して1年1ヶ月、あまりにも短すぎました。
体に障害があったけど、懸命に生きていた妻。
妻の事を忘れない為、初めてブログを書きます。

日曜日の朝、、。



昨晩の余韻で目が覚めた。




「おはよう」


横で寝てる妻に声をかけた。



「おはよう」




目を覚ました妻の方に転がって、そのままハグをした。



日曜日の朝は、イチャついてもゆっくり出来るからいいな。。


うつになる前は、この時間が至福の時間だった。

2か月ぶりくらいだったけど、妻にハグしたり頭をなでたり、幸せな時間を満喫した。





そのあと起きて、家事を済ませて、食後にゆっくりしていたら妻が言った。



「○○っていうサイトなんだけどね。二分脊椎の人達の妊娠について書いてあるんだよ。

私も読むから、yoshiちゃんもまた読んでおいてね。」


先週子供の事を話してから、やっぱり気にしてたのかな。



「うん、分かった。読んでおくよ」




でも妻に言われるより前に、そのサイトは私は知っていた。


途中まで読んでいたので、今の状態のままでは妻は精神的に妊娠に耐えられない、と思っていた。


だからうつが改善してから、という話をしたんだけど、、、、。



本当に妊娠を考えられるようになったら、そのサイトを書いた医者の所に相談に行こうとも思っていた。


でもまだ先の話だな。

そう思っていた。





午後からは散髪に行って、食材を買いにスーパーへ行こうと思っていた。



「ちょっと散髪にいってから、スーパーで食材買ってくるよ。」



「私もついて行くよ。」



えっ!ついてくる!?


うつで外出もほとんど、ままらなかったのに。




「でも、俺が散髪している間どうするの?」


「床屋から近いところに雑貨屋さんがあるから、そこで時間つぶしてるよ」



これを聞いた時は本当に嬉しかった。




妻と買い物に行けるなんて、本当に久しぶりだ。

うれしいな。




車で床屋の駐車場に車を停めた。


「じゃあ、終わったら連絡してね」


そう言うと、妻は駐車場から近くの雑貨屋に歩いて行った。





散髪が終わり、妻に連絡すると雑貨屋から歩いてきた。


「買い物の前に本屋に行きたいな。寄ってもらっていい?」

妻がそう言ったので、本屋に寄った。



年末が近かったから、テレビガイドの年末特大号が買いたかったらしい。


妻は毎年年末だけ買って、年末年始の番組を事前にチェックしていた。




本屋で探したけど、まだ特大号は置いてなかった。

「来週には多分でてるよ。また来週買おうか。」


そう言いって、二人とも買いたい本のコーナーに分かれた。



私が本を買い終えて妻を探すと、妻は健康コーナーでうつの本を読んでいた。



「何読んでるの?」


私が笑いながらそう言うと

「せっかく久しぶりに本屋にきても、結局こういう本を探しちゃうよ」


妻は、はにかんだような笑顔を浮かべてそう言った。




本屋をでてスーパーに行った。


休日に夫婦で買い物に行く。


何の事はない出来事だけど、この時は久しぶりだったから嬉しかった。


妻のいつも買っているヨーグルトや、妻の好きだったポテチも一緒に買っていった。




家に戻った。


家で少しのんびりして、夕方になってきたので、妻を散歩に誘った。



冬の夕暮れのなか、二人で手を繋いで近所をゆっくり歩く。



もうすぐ会社も冬休みだな。


今日みたいな調子が続いてくれたら、休み中もどこか連れて行ってあげられるかもしれないな。


でも二人で近場で買い物するだけでも、今年はいいかも。



一緒にいられる時間が増えるので、私は早く休みが来てほしかった。



散歩中、妻の暖かい手を握って、そんな事を考えた。






夜夕食を終えると妻が言った。


「yoshiちゃん、ここどう思う?うつに対するカウンセリングなんだけど、市内でやってるんだよね」

そういってスマホでサイトを見せてきた。


土曜日もやっていて、家から車で30分位だから連れて行ってあげれらる。



「いいんじゃないの?一緒に行けそうだし。一回試してみたらいいよ。

予約しておいたら連れていくよ」



薬以外、色々試したいという妻の気持ちは変わっていなかった。









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