41.不眠。 | いつかまた君と会う日のため(自殺・自死遺族ブログ)

いつかまた君と会う日のため(自殺・自死遺族ブログ)

2013年12月、最愛の妻をうつ病による自死で亡くしました。
結婚して1年1ヶ月、あまりにも短すぎました。
体に障害があったけど、懸命に生きていた妻。
妻の事を忘れない為、初めてブログを書きます。

「yoshiちゃん、起きてよ。どうしたらいいの?どうしたら眠れるの?」


夜中に妻に何度も起こされた。


今何時だろう?


夜中の2時か?3時か?


半分寝ぼけながら答えた。


「本でも読めば眠くならないかな、、。」

そう答えた気がする。


「ダメだよ。そんなんじゃ眠れないよ。ねえ、どうすればいいの?」


ダメか、、、。


そう言えばハネムーンの時も一度眠れないって言ってた時があったな。


「じゃあ、お酒でも飲んだらどう?冷蔵庫にワインがあるから試しに飲んでみれば」


私がそういうと、妻はキッチンに行って白ワインを飲んだ。


寝室からでもワインを注ぐ音が聞こえた。


妻は一気に飲んだようで、すぐ寝室に戻ってきた。



そして朝を迎えた。




「昨日眠れた?」


朝妻にそう聞いてみた。


「結局少ししか眠れなかったよ。」



「昨日の夜、凄かったよ。まるで夜泣きの赤ちゃんみたいに俺を起こして。何でなの?」



「なんか横で気持ちよさそうに寝てるの見てると、起こしたくなっちゃうんだよね。」

妻は少し笑いながら言った。




昨日の夜の必死さを考えると、不眠になるという事が本当に辛そうだった。


「今日、病院休みだから睡眠薬もらえないよ。どうしたらいいかな?」


妻にそう聞かれたので、薬局で市販薬を探すことにした。


睡眠導入剤のドリエルってのがあったので、買ってきて妻に渡した。



「分かった、とりあえず飲んでみるよ。」



そしてまた夜を迎えた。


「ダメだ、全然眠れない。yoshiちゃん起きて。ダメだよ。眠れないよ」



この日も妻は眠れないようだった。


ダメか。

「今日もお酒飲む?」


寝酒はあんまり体に良くないんだよね。


この日も妻はワインを飲んだ。



だけどほとんど眠れなかったらしい。


見ていても辛そうだった。



眠れないとうことが、人間をこんなに苦しめる事を初めて知った。


「昨日もほとんど眠れなかったけど、yoshiちゃんの事起こさずに我慢したよ。

今日は予約が入っていないけど、病院に睡眠薬もらいに行ってくる。」



この日は眠れたようだけど、薬の副作用なのか、朝腹痛で目を覚ますようになった。



そしてわずかな物音でも目を覚ましてしまうようだったので、私は寝室を別にすることにした。


「別の部屋に行っちゃうの?寂しいじゃん。」



それは俺も同じだよ。


「でも目が覚めるんじゃ、しょうがないよ。ずっとじゃないから、また良くなったら一緒に寝よう」



そしてこの日を境に、妻の体調は急に悪くなっていった。





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