30.ハネムーンクルージング(5) | いつかまた君と会う日のため(自殺・自死遺族ブログ)

いつかまた君と会う日のため(自殺・自死遺族ブログ)

2013年12月、最愛の妻をうつ病による自死で亡くしました。
結婚して1年1ヶ月、あまりにも短すぎました。
体に障害があったけど、懸命に生きていた妻。
妻の事を忘れない為、初めてブログを書きます。

観光が終わり船に戻っても、夕食までまだ時間があった。



船にはスポーツジムがある。


観光の時間も少なく、毎晩のようにフルコースを食べていたので運動しないとヤバイと思った。



「時間があるから、ジムでも行こうか。」


そう言って妻を誘い、スポーツジムに向かった。




スポーツジムは船の最上階にある。


船の前方にあり、ガラス張りになっているので、景色もとても良かった。



ランニングマシーンやウェートトレーニングの器具、それにエアロバイクなどが何台も揃っていた。


船が動いているときなどは、ランニングマシーンで走っていると海の上を走っているようだった。



妻は家でも毎日エアロバイクや、腹筋運動、足にウェートを付けて運動などをしていた。


将来に向けて歩行する筋力低下をカバーするために、毎日頑張っていたのだと思う。



船の中のスポーツジムでも、エアロバイクを漕いでいた。



私は日本からジャージと縄跳びを持ち込んでいた。


ジムには大きな鏡があったので、鏡の前でボクシングの練習をした。


縄跳び3R(約10分)、シャドーボクシング5R、ランニングマシーン30分、腕立て、腹筋。

以上で1時間くらい運動した。


私が腕立て伏せをやっている時、妻は横に来て腹筋をする。


ストイックなハネムーンの風景だった。



ほぼ毎日ジムで汗を流したが、旅行が終わったら3Kgも太っていた。

食事が高カロリーだったと思う。


日本に帰ったら、1ヶ月くらいで元の体重に戻った。



ジムでの運動が終わって、部屋に戻った。


もう船は動きだしていて、窓から夕日が見える。


シャワーを浴び終わってから、妻とベランダに出て、ずっと夕日を見ていた。






隣の部屋の乗客も夕日を見ていた。


80歳くらい?の老夫婦だった。

にこやかに笑みを浮かべて会釈した。


この老夫婦のように年齢を重ねた後、また二人でこんな景色を見ていたいな。

そう思った。




その日の夜は食後に妻とショーを観に行く予定だったが、ショーの前には毎晩同じ会場で「メガビンゴ」が開催される。


その日は早めにシアターに向かい、ビンゴをする事にした。


入り口でビンゴの用紙を買う。


日本円で一枚500円か1000円くらいだと思った。


日本のビンゴと違うところがある。


日本だと、5×5のマスを一列開けるとビンゴになる。


メガビンゴは5×5のマスが、タテに3個並んでいる。


この3個のマス、それぞれが1列開かないとビンゴにならない。



その代わり、ビンゴになったときの賞金は25,000ユーロ(日本円で約320万円)






これは熱くなる。


司会者が順番に番号を読み上げる。



44コール以内でビンゴが出なかった場合、最初に誰かがビンゴになるまで続けられる。


賞金へ減っていくと思うけど、幾らかはもらえるのだろう。



「やった!当たった!!当たったぞ!!」


日本語で叫んだ人がいた。


当たったのは若い日本人男性だった。

当たるとステージに上げられ、出身地などを聞かれていた。


我々のツアーのメンバーではなかったが、ハネムーンで来ている様だった。


いくらもらったか分からないが、ずいぶんラッキーな人だと思った。


ビンゴは20分くらいドキドキを楽しめるので、妻と何度かチャレンジした。

結局当たらなかったけど、楽しかった。







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