4829653930 極・恋
日向 唯稀 藤井 咲耶
プランタン出版 2005-05-30

by G-Tools

全寮制の高校に通うヤクザの息子の主人公と元ヤクザ、今は会社社長の話。自分の世話役(でも若頭)を誤解で殺され、その原因となった薬を流している人間を探そうとする主人公と、その過程で知り合った危険な匂いのする会社社長。お互いに自分の本当の姿を隠して付き合おうとする。そんな関係が続くはずはないのに。

一途な主人公が可愛くて、でもこのままだとおかしなことに巻き込まれるのは間違いないとわかってしまうので、はやく誰か助けてくれないかとハラハラする。途中、何度親友の彼氏が助けの手を出すことを期待したことか。シリーズ物なので前作、前々作の登場人物たちに読者のクセに助けを求めてしまった。

まあ、最終的にはほんわかした気分で読み終えたけれど。


日向さんの書く文章は、実は私の好みではない。リズムが合わないというか、どうも説明的台詞が気になって仕方ないのだ。

それなのに何冊かの本を買って読んでいる。それはこの作者の書く話のテーマが私の好みにあっているから。ヤクザとか、ホストとか!あと、なかなか新刊がでない誘惑 シリーズとか!毎回読みながら読みづらいなあ、と思いながら、また読んでしまうのである。この文章はもう、この作者の固定した個性だと思うので仕方ないのだけれど、どうしても、もっと読みやすい文章を書く作家さんで同じ話を書いてくれないだろうかと思ってしまう。逆にこれがいい、という読者もいるのだろうけど・・・。