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恋愛小説『Lover's key』

#9-1 初恋のヒト(teru's side)






部屋に入ってきた女を見て、オレはかなりビックリした。



なんだよ!!!



カテキョの代理で野崎ってヒトが来るのは聞いてたけど、まさか“あの”野崎とは!!!!



食ってるアイス……ムセたじゃねーか!!





───野崎由愛。





誰かに『初恋はいつ??』と聞かれたら、真っ先に浮かぶのはコイツだと思う。



昔、かまってほしくて色々ちょっかい出してて、すごく気になる存在だった。



オレには兄弟が居ないから、コイツを姉貴みたいに思っていたのかもしれない。



用事を作っては勝手に6年のクラスにまで遊びに行ってた。



でもさ。今考えると・・・。



一人で6年のクラスに乗り込む1年なんてオレくらいだった…。



・・・結構チャレンジャーだよな…。空気読めてないアホなガキ。



でも、そんなでもコイツはちゃんと構ってくれてたんだ。






ふと、懐かしさが込み上げる。







まさか、こんな風に再会できるなんて…。



しかも、こんな特別偶然な日にガ○ガリ君まで当たるなんて!!!!!



もしかして……何かあんのかっ?








……さっき。

喋ってる間、気づかれないようにセンパイの頭からつま先までちょっと見てみた。






ふーん。わりとキレイになったじゃん…。






女って変わるもんだな。





───「オレ、覚えてない??」って。



訊ねた時のコイツのキョトンとした顔。





なんかスゲー悔しかった。





───「…って、もしかしてセンセの彼女??」って聞いたときも。





否定せずそうだと言われて、なんか正直ムっとした。





なんだよ。カレシいんのかよ。



ふーーーん。



…………。



何だよ。よりによってセンセがカレシかよ。






……。




…………。





ヤベ。テスト中だっていうのに全く身が入らねぇ。




採点はコイツだし、全問不正解とかカッコ悪いとこは見せたくないし。




超、焦るっ。




しかも。何か、オレの鼓動が早い…。





・・・って。




なんなんだよ。このドキドキは!!!!!!









センパイのことが気になって気になって仕方なくて。




テスト中、チラチラと気づかれない程度に横目で見てみる。





あ。何か読んでる。小っせー手だな…。








……ん?ちょっとまて!それより。





胸……結構あるな。。。








ふーーーーん。。。








……何かヤダな。



女らしいコイツ見ると、むしょうにムカつく。



昔はこんな風じゃなかったのに。



妙に心がざわざわして落ち着かない。



何なんだよっ。この気持ち。





あ゛ーーーーーーーーー!!考え出すとキリがねぇ!!!!!




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