先日、新聞に「パワハラ7万件、5年連続で最多」という記事が出ていた。実際、カウンセリングでも、パワハラ関連のご相談がとても増えている。

私は被害者、行為者(加害者のこと)それぞれの話を聴いているけれど、被害者は自覚があったりなかったりするのに対し、行為者は「そんなつもりじゃなかった」「よかれと思ってやった」と自覚がないどころか、むしろ突然悪者扱いされた自分こそが被害者だと憤慨することがほとんど。

たしかに、ハラスメントについてよく知らないまま自分がかつて上司から受けていた行為をそのまま部下にするとハラスメントになってしまうことが少なくないので、「そんなつもりじゃなかった」は素直な気持ちなのだと思う。

でも、いくらわざとじゃなくても、相手が傷ついたのなら、その責任はある。

私がよく例えに出すのは、車を運転していて事故を起こして「そんなつもりじゃなかった」で免責にはならないでしょうということ。

はっきり言うと、悪意の有無は関係ない。相手に症状がでている時点でハラスメントは成立すると考えていい。

最近とても多いと感じる、上司と部下の認識がスレ違うハラスメント行為は、
 ダメ出し(=人格否定)、怒鳴る(=暴力)、丸投げ(=責任転嫁)、
 時間外の連絡(=プライバシーの侵害)、説教(=価値観の押しつけ)


これらに思い当たる方はどうぞすぐにやめてください。もし、被害を受けている場合は、ひとりで抱えて我慢しないで早く人事か専門家に相談することを強く勧めます。厚生労働省のパワハラについてのサイトはこちらです。

プライベートでも、基本的な考え方は同じ。親子やパートナーとの間でモラハラ・DVは少なくありません。がまんしていても何も解決しないどころか相手が増長し事態が悪化するだけです。こちらもなるべく早く専門家のサポートを求め、穏やかな日々を取り戻してくださいね。