【真・八段錦】
★五段錦(初心者編)
≪下丹田を土台として、左右の彼方へ至る錦となす≫
ここで重要なことは、「軸を入れる」という概念である。
打撃や力や外気を放つ方向に対して、仙骨と頭部を同時に「入れる」ことである。
背骨を軸として捉えたときに、力を加えたい方向に軸の両端を同時に「入れる」のである。
腰を入れて打つ、体重をのせて打つ、といった表現をご存じかと思うが、これは「軸を入れて打つ」ということになる。
例えば、
A:全身の繋がりを崩して打つ
B:全身を繋げて打つ
C:全身を繋げて、軸を回して打つ
D:全身を繋げて、軸を回して、腰を入れて打つ
E:全身を繋げて、軸を回して、体重をのせて打つ
F:全身を繋げて、軸を回して、軸を入れて打つ
という比較をしたとき、
打たれた相手が感じる衝撃力は
A < B < C < DまたはE < F
の順に強化されていくようである。
日常生活ではなかなかこのような力を使うことは少ないと思うが、身に付けておくとやがて、日常の体の使い方が変化していることに気付く人もいるだろう。
初心者用の練習法としては前後左右の4パターンがある。
鼻で吸い、鼻で吐くこととする。
肩幅より広いスタンスで立ち、軸を通す。
<前に錦を放つ>
1:胸を張り、腰をやや後ろへ引き、上を見上げながら息を吸う。
2:仙骨と頭部を同時に前方へ入れながら、上半身全体から前方の彼方へと気を放出する。
これを3回から8回繰り返す。
<後ろに錦を放つ>
1:前に放った時と逆である。背中を丸め、仙骨と頭頂を前方に向けて息を吸う。
2:肩甲骨を締め、仙骨と頭部を同時に後方へ入れながら、上半身全体から後方の彼方へと気を放出する。
これを3回から8回繰り返す。
<左右の彼方に錦を放つ>
左右どちらから始めてもいい。
1:背骨を「く」の字に曲げ、頭を横に傾けたのと同じ向きに骨盤も浮かせる。息を吸う。
2:1と反対の方向に頭と骨盤を同時に入れながら、上半身全体から彼方へと気を放出する。
これを3回から8回繰り返す。
一般的には耳慣れない概念、使わない使い方ですので難しいと思います。
さらに詳しく知りたい人、軸入れ・肉の使い方・呼吸・内気・外気がきちんとできているかをチェックしてほしい人は、当方から直接指導を受けてください。
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