西加奈子さんの新刊
「おまじない」は、人生の転機に思い悩む女子たちが魔法の言葉に救われていく物語を集めた短編集
ずっと子どもが欲しかったのに
いざ妊娠したら「周りの人に男を繋ぎとめるための計画的犯行だと思われたらどうしよう」と考えてしまう女性
「マタニティ」
大人の前でも、友達の前でもうまく振舞う事ができるけれど、心の底では彼らを見下して居るような自分の事が、時々すごく嫌いになる、汚い、と思っている女の子
「孫係」
ひいおばあちゃんとおばあちゃんと、ママは互いに無視し合うほど仲が悪い。でも自分には全員の血が流れていて、全員のことが好き。誰かに強く寄り添うと、他の誰かを裏切るようで、自分がバラバラになったように感じる高校生
「おまじない」
自分の事を好きでいる事は
自分以外の人を好きでいる事より
何故かずっと難しい
誰かの事を好きになった自分の事を
肝心の自分自身が好きになれない事も多々ある
「おまじない」は、どの話も
それでも良いよ、完璧に見える人だって結構悩んでいるものだし
呪いに見えるものでさえ、お守りなんだよ
と教えてくれる
人間って
自分って
やっぱり悲しいし優しいしかわいい
と思える、読むセラピーみたいな本でした
著者の西さん自身が「喉から手がでるほど欲しかった」という魔法の言葉たちが力強く詰まっています