妊娠中に週340g以上の魚を摂取すると、脳に良いといわれる1000種の成分のサプリメントを摂るのと同じ効果をあげることができる、という脳科学者の話を聞きました。実質、1000種の成分をサプリメントで補うことは不可能に近いので、お魚を食べた方が良い


しかし、妊娠中の魚の摂取については水銀、ダイオキシンによる健康被害の問題があります


妊婦さんの食事では、かなり高頻度に取り上げられる水銀


厚生労働省も、「妊婦への魚介類の摂取と水銀に関する注意事項について」というパンフレットを平成17年に発行しています。以下、日本の現状に関しては、日本の健康基準を制定している厚生労働省の見解を元に見ていきましょう


しかし、ダイオキシンに関しては、日本各地の平均的摂取量調査の結果、耐用一日摂取量(健康被害を受けることなく毎日一生涯摂取できる量)を越えていないとして、こうした勧告が行われていません


厚生労働省によれば、胎児への水銀による健康被害は

「一日の目安よりとても多く妊婦が食べていた場合ですが、生まれてから音を聞いてからの反応が1/1000秒以下遅れる場合があります」

体内で取り込まれた半分の量になるには2ヶ月


ダイオキシンの健康被害は

「日常の摂取量で急性毒性が生じるようなことは考えられませんが、長期に大量に摂取した場合には動物実験では、胎児の生殖器系に影響を及ぼす可能性(中略)、高濃度に暴露した場合にヒトに対する発がん性が指摘されています」

半減期は7.5年(5年から10年)



影響だけ見る限りは、ダイオキシンの方が怖そうに思えるのですが・・・



もちろん、影響を受けるのは、胎児だけではありません。

しかし、厚生労働省は、水銀の場合、小児や成人は排出能力がある、として、勧告の対象を妊婦としています。


ダイオキシンに関しては、耐用一日摂取量は日本で体重あたり4pg、アメリカでは0.006pgと大きな開きがあります。これは、アメリカがダイオキシンの発がん性を認めており、日本では前述のとおり「高濃度にさらされ続ければ発がん性があるかもしれない」という見解に立っているためと思われます。


水銀の摂取経路は、魚、水質汚染、大気汚染など

ダイオキシンは、ごみ焼却炉、製鋼炉、タバコ煙、自動車排気ガスなどと、食品では脂肪分に解けやすいため魚介類、乳製品、肉、卵など


ダイオキシンに関しては、報告書に農薬からの摂取については触れられていません。

従って、野菜は安全ということになります

合わせて、ダイオキシンの母乳中の濃度は、昭和48年から平成11年にかけてほぼ半減、母親の喫煙に関しても母乳中への移行は認められない、という調査結果が出ています



ざっと、これが、日本の公式見解の現状です


またしても長くなりましたので

解決編は次回に続きます