クリスマス ストーリー 第5弾 | ロスからの声

ロスからの声

物足りないロサンゼルスについて書いています。



1960年この曲のとの出会いが運命だった。

1960年を思い出してみる

父が他界したその後のある日

子供部屋の勉強机の上に

兄が忘れていったトランジスタラジオを見つけた。

何となくスイッチを入れる。

雑音に紛れて誰かが話している声が聞こえてくる。

スイッチとボリュームとチューニングしかない

小さな箱。

正面の真ん中あたりにあるスピーカーから

そのノイズと声は聞こえていた。

当然、今のようにFMでのステレオ放送なんていうのは

存在しない。

モノラルで聞こえてくるものだ。

チューニングのつまみをまわしてみる。

ノイズが消えてゆき、声がノイズなしで聞こえてくる。

さらにチューニングのつまみをまわしてみる。

何度か同じようにノイズ、声というように繰り返しているうちに

英語の声が聞こえてきた。

FENという方そうらしい。

何度かこの言葉を繰り返していた。

話はすべて英語、そしてアメリカの音楽が絶え間なく

流されていた。

これが「極東放送」日本は無条件降伏の末アメリカの配下であった。

そして東京のど真ん中の代々木にワシントンハイツという

大きな基地と住宅があった。

その放送はこれらの日本を占領し駐留していた

アメリカ人のための放送であった。

しばらく耳を傾けていると、お話の後ろで鈴の音がしていて

時々「クリスマス」という言葉が聞こえてくる。

多分、クリスマスシーズンを迎えてクリスマスらしい

音楽を選んで流していたのだろうと想像していた。

そして流れて来たのが



イントロを聴いたときにもうショック

なんて美しい音楽だロウと、いったい誰が歌っているのだろう?

どんなことを歌っているのだろう、、、、、

歌は終わった。

もう一度聴きたいと思ったけど

その方法はなかった。


後にその曲がフランクシナトラという歌手の曲であること。

作曲家がメルトーメであることを知る。

それから20数年経ってこのアルバムの制作者と一緒に

ニューヨークでレコーディングをするなど

想像もしていなかった。

そのラジオ放送を聴いて以来、時間があると

客間にあった大きなラジオでこの曲が流れるのを待つ

一日に2度聴けるときもあれば、一度も聴けないこともあった。

ステレオもコンピュターもなく、曲の名前を調べるのも

大変な時間と労力がいる時代。

今思えばアメリカ人の友人の一人でも作れば

いつでも情報は入手出来たであろうが

そんな発想など浮かぶ訳もなくという時代であった。


続く





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