SHINYA的☆09S/Sメンズコレクション速報☆その6 | メンズファッション大革命


「どれだけ自分が無知なのかをわかる情報を得る、

それがインプットと呼ばれる。」
-村上龍"すべての男は消耗品であるVol.3"より


Tシャツ、キャップ:古着
パンツ:リメイク(サンタモニカ)
レギンス:アメリカンアパレル
ストール、バングル:むげん堂
スニーカー:ナイキ


ナイキ 「エア リジュビネイト」

ピンク、ベージュのグラデーション、
ショートパンツ…と、来春夏のトピックスを
てんこ盛りにしてみました。

(ゴールド使いとハイヒール(サリー) は、まぁオリジナルですね。
いやもとい、ピンクとベージュの色使いとかも以前から してましたが…笑)

で、このスタイリングのベースとなったのは、
僕が今回のコレクション中、最も、極めて、最大限に…
注目した、あるメゾンの提案に着想を得たものです。

新鮮さと洗練を高次元で巧みに融合させたそのバランス力は、
他メゾンの追随を許しません。

「これは…間違いなく一番フレッシュだ!!!!」

しかし、この感動と興奮を、どうあなたに伝えたらよいものか…?

考えた末、今回は僕自身の独断と偏見をためらうことなく
押し出すことにして、そのたった一つのメゾンの
クリエーションにのみ、焦点を当てたいと思います。

(あ、このブログ最初から僕の独断と偏見だった…笑)

現代を生きる男性の理想像が、そこにはっきりと
見て取ることができるのです。


GIVENCHY(ジバンシィ)

今期初のメンズラインを発表した、リカルド・ティッシ率いる
ジバンシィこそが、それである。


「バギーショーツとレギンスによる新しいボトムバランス」

「男性のノースリーブという新鮮な提案」

「またそれらとホーズ(ソックス)というクラシックな
アイテムとの、意表をついたスタイリング」

…などとテクニック論に終始してしまうのは簡単だが、
この凛としたモデルの姿勢と、またそれを包むシルエットや
そこに描かれる直線的なラインは、それらが物理的に
もたらす以上の印象を醸し出し、見る者に静かに訴えかける。

フェミニズムを極限まで突き詰めた結果の、裏返しとしての
究極のマスキュリン…が、そこにはある。

ハードなレザーの下から覗く、対極とも言える繊細な素材感の
レギンスが、これまた繊細なドレープを作り出している。

この「剛」と「柔」を意のままに操る感性を備えた人物こそ、
今の時代に求められている男性像…もとい、「人間像」である。


テーラードの出来にも、寸分の狂いもない。

台襟のない開襟シャツというディティールが、なんともおちゃめ。

男性がスラックスに無造作に手を突っ込んでいる仕草を、
「セクシーだ」と感じてしまうのは、僕だけだろうか?

細かいことを言うと、このときのためにポケットの
ディティールはこのように斜めになっていることが好ましい。

分かってらっしゃる…。


ピンクが数多く登場していることは口がすっぱくなるほど
お伝えしてきた通りですが、この発色(フューシャピンク?)
のピンクは最も象徴的だ。

シャツがレース仕立てである点にもご注目いただきたい。


袖回りがセットインスリーブではなく、ラグランスリーブに
なったジャケット。

あくまでタイトでスタイリッシュなものを好むが、
それでも活動的に動き回る(働く、遊ぶ、女性を口説く…)
ことを望む、ポジティブな男性像が
こんなディティールからも見て取れる。


ここから以下三体は、かなりカジュアル路線を打ち出した
スタイリングになっているが、根本的にもはや
「オン⇔オフ」や「モード⇔カジュアル(ストリート)」
といった垣根が存在しないことを、まざまざと
実感していただけることと思う。

(それでなくても、あの「ジバンシィ」がこれほど
カジュアルなテイストを打ち出している時点で、
そのことは明白だが。)


ワントーン、そしてベージュ。

なんてことはない普通のシャツに、レースのショートパンツ
という、なんともフェミニンで意外性のあるアイテムを、
なんの悪気もなく…ぶっきらぼうに合わせているあたりに、
変わることのない「少年ぽさ」が顔を覗かせている。


中にはこんなアイテムも。

バリバリの体育会、もしく男臭いアメカジアイテムを
繊細な素材で仕上げ、さらに肉体を透過させることによって…
あら不思議。

逆にその人物の中の「男性性」を抽出することに成功している。

このテクニックは、半端じゃない。

それにしても、今回のコレクションは通じて「アンチモデル」
モデルが、今までになく数多くランウェイを闊歩していた
ような気がする。

ファッション業界も、ようやく「街にモデル体型の人間は、
まったく歩いていない」ということに気付いたのだろうか?

各々の体型はそのまま「個性」であり、それらはまず
認められてしかるべきだ。

あまりにも長い間、ファッション業界は「いないはずの顧客」
に向かってばかり、アピールしていた気がする。

「職業的なモデル」や、それを規範とするような概念は、
むしろ無くなってしまった方がよっぽどファッション業界に
とって有益なのではないだろうか?

(あ、またつい過激発言を…笑
まぁほんとのことだからしょうがない。)

リカルド・ティッシらしい…というと少し語弊があるかも
しれないが、彼独特のゴシックテイストと
高度な技術力が完璧に融合したシューズ。

ホーズとの組み合わせも素晴らしいが、色を違えても
面白いコーディネートになりそうだ。

自身がジバンシィのレディースで提案していた
グラディエーターブーツに似て、やはりこれも男性に
自らの「身体」を意識することを強要するシューズだ。

ハイヒールを用いず、ここまで男性の脚を美しく見せる
シューズを作るとは…やられた(笑)



以下4体はすべてシースルートップスを用いたルックだが、
ご覧の通りモデルはみな明らかにシャバの人間ではない…
いやもとい(笑)、明らかに自分の意思をはっきりと持ち、
自己主張することの意味を知り、
それに対して躊躇しない男性たちだ。


「ヌード」というのは、今後もしかしたらしばらく続く
メンズファッションのキーワードになるかもしれない。

ヌードカラー、あるいは「身体」そのもの。

(個人的な話だが、本気でタトゥーを入れようと考えていたので、
この提案には心底驚かされるものがあったのである…笑)


「男性の中で最も美しい部分は、ふくらはぎだ。」

ということを誰かが言っていたような気がするが、
このスタイリングは改めて、そのことを
意識しているんではないかと思わせる。

まるでスパルタカスの時代の、鎧を纏った気高き戦士のようでもある。


「普通じゃないことを、普通にする」という、
先鋭的なファッション表現をするうえでの必須項目を、
あまりにも高いレベルで実践しているルック。

それゆえに、逆に微塵も不自然さは感じられず、
まるで10年位前からすでにこんなスタイリングが
当然のようにあったんじゃなかいか?

と思わせられてしまうほどの、完成度の高さ。


男性のセクシーさが、単に肌を露出することや、
もっと最悪なのは筋肉そのもの(笑)といった次元から、
ようやく脱皮しようとしていることが分かる。

あくまで上品にこなさなければならないのは当然だが、
こんな男性が街中を歩いていたら、女も男もみんな
ドキッとして、振り返ってしまうことだろう…。


意気込み余ってジバンシィのクリエーションにのみ
焦点を絞ってお届けしてしまった今回ですが、
あなたの目にはこのコレクションはどのように
映ったでしょうか…?

よろしければご感想などお聞かせいただければ幸いです。

毎回言っていることですが、こうした優れたクリエーションを
目の当たりにし、自分の知識を広げる…つまり
「自分がなにも知らないということを知る」たびに、
改めて思います。

「ファッションって、ほんっ…とに、いいもんですね!」

次回はパリ最終日を中心に、残る主だったビッグネームを
分析していきたいと思います。

お楽しみに。

では、また-。


サリーのことをより多くの方に知っていただくため、

ブログランキングにご協力ください☆
一日一回、ブログパーツをポチッとな♪


10cmのハイヒール・スニーカー「ロングトール・サリー」公式サイト
http://www.high-heel.jp/


「ロングトール・サリー」会員登録はコチラから
http://www.high-heel.jp/member/index.html
(「ロングトール・サリー」は受注販売を予定しております!進展状況について

ご連絡するため、ご興味のある方は会員登録をお願いしております。)