小学校のクラスでのスピーチが終わって、私はクラスを後にした。


クラスには夫もみみもいたので、早足で家に向かう私の後ろからついて来た。(もちろん、夫がスピーチをしたらもっとスムーズにいったハズですが、私は自分自身で伝えたいと思ったので頼まなかった。)

「俺は・・・感動した・・・。すごく感動した・・・。」

とついて来る夫。
私は振り返らずに歩き続けた。

感動させる為にあんなことしたんじゃない。
私は、今のこの状態を変えたかったのだ。

そして、、、みみの声が聞こえた。


「みみちゃん・・嬉しかった・・・。」


翌日、あのスピーチを聞いていた1人のお父さんは、私に握手を求め、


”困ったことがあったらなんでも言ってください”と言ってくれた。


しかし・・・その翌日からはまた同じ状態に戻った。

ただ、一度1人のママと帰り道が一緒になった時に、”私は日中ほとんど家でひとりぼっちでいる”と言ったら、

「家にずっとひとりでいるのって、やることが沢山あるし、楽しいじゃない?」

と言ってきただけだった。
珍しい、働いていないママだった。

 それでも、私達の事情を少しの人でも知ってくれたことには満足していた。


でも、、やっぱり寂しいな、、、。


そんなある日、学校に朝、少し早めに行ってしまったらクラスの女の子のママと2人きりになった。



”ああ・・・このママは、あのスピーチのときに私の斜め前に立って聞いていた人・・・”



私は、ちょっと恥ずかしそうな仕草をしながら言った。

Bonjour・・・」
しかし・・・

Bonjour・・・」

と、無表情のまま答えた彼女・・・。
そして・・・彼女は何も言わない・・・。



”え・・・。あのスピーチをあんなに近くで聞いていた、、半泣き状態でのスピーチを見ていた彼女も・・話しかけてもくれない・・・”



・・続く沈黙の中・・・私の心は凍っていった・・・。


そして、ものすごい悲しみが襲ってきて・・・。

・・・私は学校を後にした。


涙がボロボロとこぼれ落ちた。
赤信号で止まりながら、涙を隠すこともせず、大勢の父兄、子供達の中で泣き続けた。

その時、私の左横に、クラスの別のママが立っているのが分かった。

私は心の中で叫んだ。



"どうしたのですか?どうして泣いているのですか?と聞いてください!そうでなければ・・・もうおしまいだ!もう限界だ!”

と・・・。

しかし・・・信号は青になり、誰も私に話しかけることなく、、、
私は橋を渡った。



”閉鎖的!氷のような人間、ここは氷の街!!”




と心の中で叫びながら・・・・。


しかし、、、その後、今までと違う・・・変化がみみに起こった・・・。


みみは、クラスの子の誕生日会に、とにかくよく呼ばれるようになった。
 フランスの誕生日会はロンドンの時のようにクラス全員を呼ぶなんてことはなく、お気に入りの子を5,6人招待するのが一般的だというのに・・・みみはびっくりするぐらい、その後、招待状をCartableの中に入れて帰ってきた。