ニュースで20161026日に、元女優で現在はナチュラリストを名乗り、石垣島で宿泊施設を運営している高樹沙耶さん(本名:益戸育江氏)が大麻取締法違反(所持)の疑いで逮捕されたのを知った時は、少々びっくりしました。

 

 

ニュースによると、高樹容疑者は容疑について、「私の物ではありません」と否認しているようですが、自宅で見つかった乾燥大麻は数十グラムで数十回分の使用量と「大量」といえる量で、共同生活をしていて同時に逮捕された森山繁成容疑者が「大麻は私のものです」と認めていること、そして、仮に高樹容疑者が使用していなかったとしても、「家の中の分かる所に置かれていれば、客観的には共同所持になる」と法律の専門家は捉えるようなので、おそらく起訴されて裁判になるのでしょう。

 

 

高樹容疑者の容疑の真偽は司直の手にゆだねますが、個人的には、この逮捕の報を知って、「国(厚生労働省麻薬取締部)の方針をはっきり示すための話題作りにされた逮捕ではないか」と感じました。

高樹容疑者は、20167月の参議院選挙で、新党改革から医療用大麻の合法化を政策として掲げて出馬し、落選しました。

高樹容疑者に限らず、医療用大麻の合法化を主張する人は世の中に増えている気がします。

国としては、「嗜好用」として裏流通するのを恐れていますから、基本的には、医療用大麻であっても「大麻は断固、絶対反対!!」という方針でしょう。

そんな流れの中で、高樹容疑者に主張は、国からすれば、ウザったいでしょう。

また、高樹容疑者を逮捕すれば、仮に起訴できなかったとしても、日本社会に対するインパクトは大きいです。

 

 

それと、ここからは、少し偏見が入りますが、麻薬取締行政において、大麻は健康を害するもので、犯罪などを引き起こす原因のひとつ、との主張は社会秩序維持のため、世間の支持を得やすいですし、もっと俗な言い方をすれば、麻薬取締行政に関わる利権確保になります。

仮に、大麻が合法化されれば、麻薬取締役行政に割く要員と予算は当然減らされるわけですから、利権を死守したい側からすれば、高樹容疑者の主張は苦々しいわけです。

つまり、高樹容疑者は、麻薬取締部から徹底的にマークされていたわけです。

 

 

いつの時代も、法律ギリギリのところを攻め込んでいく人は、当局から徹底的にマークされ潰されます。

時代の寵児と一時期もてはやされた実業家の堀江貴文氏も、証券取引法すれすれのせめぎ合いをしたため、当局から潰されたわけです。

 

 

大麻取締法話題からはそれますが、女優としての高樹沙耶さんを私が初めて知ったのは、198412月にNHKで放送されていたドラマ「新宿ものがたり」です。

主役は原陽子さんで、その他には、大女優の香川京子さん、歌い方がウィスパーボイスで有名な早瀬優香子さんが出演していていました。

その時の高樹さんの役柄で印象に残っているシーンは、ダイエットするために、サランラップをお腹に巻き付けているシーンがあり、それが、32年経った今でも強烈に脳裏に刻まれています。

 

 

話題はさらに少し変わりますが、人は、自らの利害相反になることは、実際の信念と違っていても、なかなかできないものです。

例えば、原子力政策に関わる人や研究者、技術者、関連する企業は、原子力発電はランニングコストや二酸化炭素排出に関しては効率が良くても、核廃棄物や廃炉、事故発生における費用等を考えたら、非安全で非効率なことは、ほぼ周知の事実と思います。

しかし、原子力に関わるいわゆる「原子力村」の人にとっては、原子力発電が無くなったら、利権を失い、職を追われます。

だから、一生懸命理屈をこねくりまわして、なんとか再稼働しようと画策するわけです。

 

 

20161026日の日経新聞に、東京電力の福島第一原発の廃炉費用が年間800億円になり、その他、補償問題などを含めた費用は年間で4000億円になることを報じていました。

これらの費用は、「年間」ですから、今後、何年掛かって処理できるかわかりませんが、仮に10年単位で考えたら、トータルで数兆円規模です。

おそらく、一企業で負担できる話ではないので、税金投入でしょう。

 

 

このように考えていくと、国のお金の使い方はムダだらけです。

お金の規模だけで見れば、原子力村維持のために無駄につぎ込むお金があるのなら、東京オリンピックの各競技施設について、五輪終了後に「廃墟」と化すようなことにならず、各競技団体の振興に役立つのなら、既存施設をちまちま改良して使うのではなく、新施設を作ってもいいのではないかとすら思えてしまいます。

 

 

原子力に関していえば、国が「もう、基本的政策として、原子力は諦めました。原子力村の研究開発力や技術力は、自然エネルギーの実用化対策など新エネルギー技術者育成などの予算に振り替え、原子力技術者もそちらに鞍替えしてもらいます」と宣言すればいいと思います。

原子力技術者の地頭は相当高いはずですから、その方が、よっぽど、世界最先端の自然エネルギー技術立国に日本がなるために、得策だと思います。

 

 

いずれにせよ、人間は、相当余裕がある人でない限り、信念より利益、つまり、利害相反することは、できないものです。

 

【好評発売中!】
『ちょロジ ニュースで学ぶ
7
つの思考法』(パブラボ刊)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4434176552/bloglogcom-22/ref=nosim/

【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】
(パソコンでアクセスしている方)