知人の営業マンと雑談していた時のこと。

その営業マンの名刺には「ISO14001取得」の文字が入っている。

ご存知の方も多いと思うが、「ISO14001」とは「環境マネジメントシステム」の国際規格のことで、この営業マンの会社は、認証機関から「ISO14001に適合していること」を証明されているのだ。

ISO14001」を取得していると「環境に配慮した経営マネジメントシステムが構築され運用されている会社」であるといえる。


この営業マンに、「会社での環境への取り組みはどうですか?」と聞いてみた。

おそらく「営業車のエコ運転に務めています」とか「裏紙使用を徹底して紙の使用量削減に力を入れています」とか「ゴミの分別を徹底しています」、「設定された室温を保つように心掛けています」といった回答が返ってくると思っていた。


ちなみに、上記で示したような活動は「エコオフィス活動」という。

一般的には「エコオフィス活動」=「企業における環境活動」=「環境マネジメント」と思いこんでいる人が多い。

しかし、あくまでも「エコオフィス活動は環境経営の一部」でしかない。


話を、営業マンに戻すと、意外にも、「製品の長寿命化提案」や「保守サービスの向上による故障率の削減」「故障に対する復旧時間の短縮」といった取り組みを「営業における環境活動」として話しをされたので、正直びっくりしました。

わたしが、審査やコンサルティングで訪問している会社でも環境経営に取り組んでいる企業は多く、工場などモノづくり現場であれば、「工程改善による電力や廃棄物の削減」といった「いかにも環境に貢献している活動」が見えやすく取り組みやすいが、営業部門や仕入部門といった間接部門では「エコオフィス活動」でとどまっている企業は数多い。


営業マンに聞くと、当初はやはりエコオフィス活動だけだったそうであるが、環境経営システムを導入して2~3年もすると、省エネ活動などは限界に達し、やることがなくなり「これじゃおかしいんじゃないの?」と気づき、その会社では「営業部門の経営課題そものもが環境活動としても位置付けられるのではないか」という結論に達したという。


なかなか、このように「経営とリンクさせて環境を捉えている企業」は少ない。

すぐに「エコオフィス活動」や「環境団体への寄付」といった「経費削減」や「環境を通じた社会貢献」という発想になってしまう企業がほとんどである。

詳しく聞くと、どうも、この会社の体質にもその理由はあるようで、「改善提案活動が活発な会社」のようなのだ。

改善発表会もあるようで、単純な営業成績だけでなく、こうした改善活動に対しても社内で評価される仕組みがあるらしい。


やはり、PDCAサイクルを基本とした業務改善活動を組織的にきちんと回している会社は、こうした環境経営についても「表面的な活動」でとどまらず本質的な活動へとちゃんと生かしているな、と感じた次第である。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ427号より)


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