2015820日付の毎日新聞によると、

「愛知県新城市の東名高速道路・宇利トンネル上り線で照明器具が落下し大型トラックが破損した事故で、中日本高速道路は20日、同トンネル内の照明器具を点検した結果、新たに8個で腐食が見つかり撤去したと発表した」

という。


記事によると、

◇トンネルには、上下とも各2車線で計1185個の照明器具がある

15日の事故直後に上りの走行車線側を調べ、取り付け金具などが腐食した7個を撤去した

◇今回は1920の両日、その他の車線を点検した

◇(新たに見つかった)腐食した8個はいずれも上りの追い越し車線側であった

◇下りでの腐食はなかった

◇トンネル内の照明器具の検査を3年ごとに行っている

◇宇利トンネルでは2013年に検査し、2個を撤去した

という。


毎日新聞の記事情報からの推測であるが、

◆照明器具の検査プロセスの見直し

(例:検査頻度、検査項目、検査基準、検査方法など)

◆高速道路のトンネル内照明器具の設計および施工基準の見直し

(例:トンネル内の環境毎の基準の作成など)

といった点は、少なくとも、見直しが必要になってくるだろう。


ふつうに考えれば、3年ごとの検査で、2013年の検査で、2個撤去したが、その検査から約2年で1個が腐食して落下し、事故直後に検査したら上りの走行車線の7個を撤去し、19日、20日の検査で、上りの追い越し車線の8個を撤去しているにもかかわらず、下り車線の照明は異常がなかったということだから、「トンネル内の環境の違いによる照明器具の耐久性の妥当性」はなかったわけである。


この「照明器具(正確には取り付け金具)の耐久性に妥当性なし」という結果が、設計段階なのか、照明器具の製造段階なのか、設置段階なのか、定期検査段階なのか、あるいは、それらのプロセスに関わった要員の力量に起因するのか、それをちゃんと分析、解析しなければ、トンネルにおける照明器具(取り付け金具)に関する正確な知見(ノウハウ)の蓄積ができないこととなり、また、どこか別のトンネルで「落下事故」は起きるに違いない。


素人考えでは、日本の土木技術が高いのか、土木技術に関する設計、施工、定期検査に関する知識や知見が積み重なってレベルが高いのかわからないが、かつては、いくつかの痛ましいトンネル崩落事故の発生はあったが、昨今では大きな事故はあまり聞かない。


しかし、201212月に、笹子トンネルの天井板落下事故が発生し、安全管理の概念に関して手薄だった「トンネル内の天井坂」に関する定期検査方法など、さまざまなプロセスの見直しが行われた。

この時に、なぜ、「トンネル内の他の設備設置基準」について、そのリスクや見直しの可能性を言及できなかったのだろう、と思う。

結果論ではあるが、笹子トンネル天井板落下事故をきっかけとした予防処置は不十分だったのである。

この原因についても、今回の事故発生を教訓にして、中日本高速道路会社は、しっかりと究明し、未然防止措置をやって欲しいと思う。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ451号より)



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