「一発屋芸人」といえば、レイザーラモンHG、ヒロシ、鼠先輩、ダンディ坂野、ムーディ勝山、エドはるみ・・・といった芸人さんが思い浮かぶ。

私たちは「テレビ画面で見かけなくなる」と「生活できているのかな?」「芸能界を引退したのかな?」などと考えてしまう。

しかし、実際には、私たちが想像するより活躍し、収入が多い「一発屋芸人」は多い。

例えば、2005年頃に「長州力」の「キレてないっすよ」のモノマネで一世を風靡し、テレビで見かけない日はないというぐらい人気があった長州小力さん。

小力さんも世間一般では「一発屋芸人」と呼ばれる存在だ。

その小力さんは、当時の最高月収が約2000万円で、その後、5万円まで落ち込んだ時もあったと言う。

しかし、現在は、テレビの出演こそ少ないものの、いわゆる「営業」と呼ばれる仕事のオファーは絶えずあり、地道に芸能活動で稼いでいる。

小力さんが成功した理由は、ずばり、

【「長州力」のモノマネのみに特化し、キャラ転向しなかったこと】

である。

冷静に考えてみれば、これは理にかなっている。

私たち一般人が、「長州小力」さんを見た時に、期待することは、やはり『キレてないっすよ』である。

仮に、いくら小力さんの顔がフィギュアスケートの「浅田真央」さんやプロサッカー選手の「大儀見優季」さんに似ているからと言って、彼女たちの形態模写をしたところで、おそらく中途半端なものとなり、私たちの反応は「な~んだ」と関心を示さない。

また、小力さんはチューブの前田亘輝さんのような声質で「歌ウマ芸人」として有名だが、本格的に歌手活動にチャレンジしたところで、歌手としての成功は難しいだろう。

つまり、何でも一流にこなせる才能ある芸達者な芸人さんでなければ、キャラ転向は大きなリスクである。

これを、「フレームワーク思考」で考えてみると論理的にも説明ができる。

例えば、有名なフレームワークのひとつ「3C」で考えてみる。

3C」とは、「ビジネス経営戦略の立案などを行う際に用いられる環境分析フレームワーク

で、顧客、競合、自社の3つの視点で分析を行う方法のこと」である。

3つの視点で状況を分析すると・・・

『顧客』

◇市場規模は小さいが「キレてないですよ」のニーズはある

◇テレビ以外にもお笑い芸人起用のニーズはある

◇デフレの影響で低予算傾向

上記から言えること

◆地方営業などでニーズはある

『競合』

◇お笑い界も例外なくデフレ気味

◇一発屋芸人はキャラ転向で失敗する人が多い

◇「長州力」に特化した芸風の著名芸人はいない

上記から言えること

◆ギャラ単価を抑えキャラ転向しないこと

『自社』

◇「長州力」のモノマネといえば「長州小力」というブランドがある

◇世間一般の「長州小力」の浸透度はそこそこ高い

◇芸能事務所所属で無くフリーランスなのでコスト競争力が高い

上記から言えること

◆「長州力=長州小力」ブランドを活かして活動すること

となり、これらの「3つの情報から言えること」をまとめると、

【テレビ露出を控えて地方営業を中心にし、かつ、ギャラを抑えて長州力モノマネに特化して勝負する】

という結論が導かれるのは自明の理だ。

つまり、論理的にも、現在の長州小力さんの経営戦略は現状を冷静に分析した理にかなった方法なのである。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ315号より)


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