先日、環境マネジメント監査の専門家たちが全国から集まる会議に出席した。

会議のプログラムの中に、各分科会に分かれて意見交換をする場があった。

その中では、企業からの事例発表、現状認識とディスカッション、その取りまとめと発表を行った。

分科会に参加した感想としては、私は大賛成なのであるが、「環境に対する捉え方が変化したなぁ」である。

「捉え方の変化」とは、つまり「環境マネジメントで取組むべき方向や対象」が「業務改善」や「企業が抱える課題」といった『本業を通じた環境目標とその活動』になってきているのだ。

つまり、一般的に「環境」というと、単純な「節電、節水、ゴミの分別」が頭に浮かぶ。

しかし、結論からいえば、「単純な節約レベルの環境活動」は今の時代、家庭でも十分にやってきており、「いまさら感」は否めない。

また、「節約意識と習慣」を定着させる上での効果はあっても、組織内に定着してしまうと、マンネリ化して、環境活動に対するモチベーションや改善意欲は減退する。

その結果、組織における環境マネジメントの対象が『本業を通じた環境目標とその活動』に変わってきたのだ。

ただ、人間の「認識・意識」というのは「やわらか頭」でないと、なかなか「変えられないもの」で、3050年前に「環境」を学んだ人には、どうも「本業を通じた環境活動」というのがピンとこないらしい。

製造業全般であれば、不良率の削減や生産性向上といったことを昔から取組んでいるので、そのことは「廃棄物削減やエネルギーロス低減」につながり「環境にも優しい活動」とピンとくる。

しかし、サービス業ともなると、ピンとこないようである。

話は少し逸れますが、先日、ある環境マネジメントシステムに取組んでいる自治体に訪問し、対象組織である小学校にお邪魔しました。

すると、「エコ探偵団」という活動を推進していた。

エコ探偵団は、節水や電気の切り忘れやゴミの分別間違いを子供たちに「発見」させる活動で、目標としては、「エコキャップの収集数」「空き缶のリングプルの収集数(重量)」を設定していました。

(エコキャップは伝染病のワクチンに、リングプルは車いすになる)

また、今年から子供たちの発案で「古切手を10キロ収集する」という目標を設定したそうです。

10キロ集めるとマングローブ600本の植樹ができるそうです)

「本業を通じた環境活動」とは、まさにこういった活動なんですよね。

小学校の役割や使命は、子供にものごとの分別を教え、健全に育成し、将来の地域や社会の担い手を育てること。

そう考えると、先生の指導で始めるエコ活動だけでなく、環境に関連した子供の自主性や夢を育む活動自体が「小学校における環境活動の本質」なんですよね。

しかし、現実は、きびしく、環境マネジメントに取組む多くの企業では、大部分の組織で「環境経営=エコオフィス(いわゆる紙・ゴミ・電気)」であり、それ以上でもそれ以下でもない、という認識です。

たとえば、「品質」も、品質管理品質保証品質マネジメントと概念が変化しているように、「環境」も「環境=公害の拡散防止や低減」から「地球規模から職場環境までの環境負荷低減&本業を通じた業務改善、リスク低減」と概念が変化しているのに、それに気づかない。

時代とともに、価値観、常識が変化していることに自分も含めて気づいていかないとダメなのである。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ305号より)


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