火山灰は航空機の運航に影響を及ぼすだけでなく、健康の影響や気温低下をもたらす恐れがある。気象庁は、各国の気象機関と連携し、情報収集を始めた。

 気象庁によると、今回の噴煙の高さは最大で約11キロ。火山灰の広がりは、英気象庁・航空路火山灰情報センターが予測しているが、現状では日本に届く可能性はなさそうだ。早坂忠裕・東北大教授(大気物理学)は「赤道付近で噴火すると、地球全体に影響が及ぶ可能性がある。今回は高緯度のために影響は北極圏に限定される」と予測する。英BBCは、専門家の見解として火山灰が健康に深刻な影響を与える可能性は限定的と伝えた。

 しかし、アイスランド気象庁の専門家はAP通信に「同程度の火山灰の放出は、数日から数週間発生が続くとみられる」と分析。火山活動が長期化すると、さまざまな影響が懸念されている。

 フィリピンのピナツボ火山噴火(91年)では火山灰が太陽光を遮り、北半球の平均気温が0.5度下がった。藤井敏嗣・元東京大教授は「噴煙の中には硫酸が含まれる。長く続けば酸性雨の影響も出てくる」と指摘する。

 1783年に起きたアイスランドのラキ火山の噴火では、気温低下や酸性雨のために農産物などに大打撃を与えた。フランス革命(1789年)や、日本の天明の大飢饉(ききん)(1782~88年)の一因と言われる。【石塚孝志、八田浩輔】

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