すれ違い 天地&ハリーの思い編(ハリー編) | Sweet Sweet Love Story(恋愛小説&ときメモGS夢小説&詩)

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詩や恋愛小説とか書いてます。ときメモGSシリーズの夢小説・・・特にハリーこと針谷幸之進くんを中心に書いてます。
いくつになっても恋愛続行☆毎日ワクワク過ごすために☆

これまた前回のお話の続きです☆

今回は 天地くん ちょっと 男らしいですよ~

ではどうぞ


ONEPIECEをめざして(ときメモGS2他夢小説版)-天地翔太遊覧船 ONEPIECEをめざして(ときメモGS2他夢小説版)

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前回のお話 → すれ違い 真咲先輩の思い編(ハリー編)



次の日 いつもと変わらない学校。

教室ではあちらこちらでみんなてんでの大騒ぎ。

朝から元気のいいクラスだ。

でも 私は朝からハリーを避けていた。

なんとか目を合わさないようにと逃げていた。

ちょうど、教室移動の授業が続いたので

二人でかちあうこともなかった。

休み時間。

中庭にいた。

教室に残るとどうしてもハリーと目が合ってしまいそうだから。

どんな顔して合えばいいかわからない。

今日も休み時間ごとに西本はるひがやってきて

ハリーをつかまえていてくれているおかげで

私は全くハリーと口を利いていない。

ふぅ・・・。

あ、いけないため息。

真咲先輩にも笑えって言われたのになぁ。

中庭の木陰に座り込みそっと空を見上げる。

空・・・高くなったなぁ。

雲が遠くに見える。

そんなことを考えていると

「せ~んぱい。」

甘い声の天地くんが私の前に現れた。

「あ、天地くん・・・。」

「どうしたんですか?こんなところに一人で。」

「え?う、うん。どうって事もないけど。」

「カラダ大丈夫なんですか?」

「え?カラダ?」

「聞きましたよ、先輩。昨日体育の時間にボールがぶつかって倒れたって。」

「あ、あぁそれね。うん。全然平気。」

「そっかー。良かったです。もう先輩ぼーっとしちゃってよそ見してたんでしょ?」

「あ、ははは。まあね。」

「まあねじゃないですよ!全く!あんまり心配かけないでくださいよ。」

「ごめんごめん・・・。」

しばらく沈黙が続く。

「・・・先輩 やっぱり元気ないんですね。」

「え?そ、そう?そんなことないよ。」

「いつもの先輩はそんなじゃないですよ。」

「そ、そうかな?」

『キーンコーンカーンコーン』

休み時間を終えるチャイムが鳴る。

「あ、休み時間おしまい! じゃ、またね、天地くん。」

私は軽く手を振ると校舎の中に入った。


昼休み。

ハリーに見つからないように私はまた中庭にこっそり来ていた。


『ドン!』

「あ、わりぃ・・・。あ、天地・・・。」

「は、針谷先輩。」

「わりぃ。急いでたんで。」

ハリーと廊下でぶつかったのは後輩の天地くんだ。

「そんなに急いで誰か探してるんですか?」

「べ、べつに!いいだろ・・・。」

「! ようこ先輩ならそっちにはいませんよ。」

「え?」

「先輩・・・一人で淋しそうでした。」

「・・・。」

「・・・僕ならあんな悲しそうな顔を先輩にさせない。」

「え?」

「あんな淋しそうな顔の先輩、初めて見た。」

「天地・・・。」

「僕ならもっともっと先輩の側にいてあげるし

 いつもの先輩の笑顔を守ってあげられる。

針谷先輩はどうなんですか?」

「え?」

「先輩のこと守ってあげれるんですか?

 先輩にいつでも笑顔あげれるんですか?」

「そ、それは・・・。」

「中途半端な優しさならない方がいいと思う。

先輩を守れないなら 近づかない方がいいと思う。」

「・・・・。」

「じゃあ僕は・・・。ようこ先輩なら中庭です・・・。」

天地くんが窓から指をさす。

ハリーが急いで窓から顔をのぞかせた。

「・・・・。あんな淋しそうな姿 僕はもう見たくないです。」

天地くんはそう言うと廊下を歩きだした。

「っ!くそっ!」

ハリーは駆けだした。


「え?志波くんって真咲先輩と幼なじみなの?」

「あぁ。」

私がお弁当を食べ終わってぼーっとしているところに

昼寝から覚めた志波くんがやってきた。

「えーーー!びっくりした。」

「あいつ なんか言ってたか?」

「ううん。何も言ってない。」

「だろうな。」

「真咲先輩って 優しいね。」

「え?あいつが?」

「うん。」

「なんかしたのか?」

「え?べ、べつに何も・・・。」

「顔、赤いぞ!」

「べ、べつに何もしてないし! あーもう変な誤解しないでよね。」

「くくっ!冗談だ!」

「もう!志波くんってば!」

『ガザッ』

中庭の草が動いた。

「針谷?」

志波くんが動いた草の方を向き声を出す。

「え・・・。」

「わ、わりぃ・・・。お邪魔だったか?」

「そんなことあるわけないだろ?」

「い、いや 別にいい。 じゃ!」

「お、おい、針谷!」

「・・・いいよ。志波くん。」

「え? おまえらなんかあったのか?」

「・・・ううん。」

「誤解は小さなうちに解いといた方がいいぞ!」

そういうと志波くんは立ち上がった。

「じゃあな。」

「うん。ありがとう。」

「べつに、おれはなにもしてない。」

「はは。そうだね。」

「・・・元春はいいやつだから大丈夫だ。」

「え?」

「いや別に。」

そう言うと志波くんは軽く手を挙げて去っていった。

「・・・志波くん。」


「・・・。(あいつ、志波といてあんな楽しそうな顔してた。

それに・・・花屋がどーとか。まさか・・・。

そういや、最近、オレはあいつの笑顔見てないかもしれねー。」

ハリーの頭の中に

さっきの天地くんの言葉がこだました。

<<先輩のこと守ってあげれるんですか?

 先輩にいつでも笑顔あげれるんですか?>>

「オ、オレ・・・。(イベントの事で手一杯で

オレは大事なヤツのことを守ってやれてねーのかもしれねー。)

あー くっそ!」

『ボコン!』

ハリーはゴミ箱を蹴飛ばした。

「・・・・・・今のオレじゃ・・・・。(アイツを守れねーっていうのかよ!)」


ハリーの思い 私の思い

秋の空ですれ違っていく・・・・・・・・。




<すれ違い 天地&ハリーの思い編(ハリー編) 完>