すれ違い 真咲先輩の思い編(ハリー編) | Sweet Sweet Love Story(恋愛小説&ときメモGS夢小説&詩)

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詩や恋愛小説とか書いてます。ときメモGSシリーズの夢小説・・・特にハリーこと針谷幸之進くんを中心に書いてます。
いくつになっても恋愛続行☆毎日ワクワク過ごすために☆

さて 前回のお話の続きですね

どうなる主人公とハリーの行方


真咲先輩の優しさにはやっぱり ぐっときちゃいますね


ONEPIECEをめざして(ときメモGS2他夢小説版)-真咲先輩横顔 ONEPIECEをめざして(ときメモGS2他夢小説版)-ハリー大接近



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前回のお話 → すれ違い 西本はるひの思い編(ハリー編)



少しずつ 日が傾いてきた。

9月を過ぎて夏休みよりも日暮れが早くなり夕暮れの風が涼しくなってきた。

私は家の近所の公園にいた。

子供たちも帰り、もう誰もいない。

海を見ながら揺れるブランコがどこかさびしげに見えた。

私を保険室まで運んでくれたハリーは

左手を負傷してる。

それじゃ ギターが思うように弾けないんじゃないのだろうか?

明らかに私のせいだ。

西本さんの言葉、ハリーの笑顔、いろいろなことが頭に浮かんできて

涙が止まらなくなってしまった。

こんな顔じゃ家にも帰れないし・・・。

西に傾いていくお日様をにじんだ瞳に映しながら

ふぅ・・・。

私はため息をついていた。


「あ、やっぱりそうだ!」

後ろから声がする。

え?

急いで涙を拭く。

すると大きな温かい手が私の頭の上にぽんと乗っかった。

「真咲先輩・・・・・。」

「どっかで見たことある後姿だなぁ~と思ったら やっぱりお前か!

何してんだよ こんなところで・・・・ って おい!」

私の顔を見た真咲先輩の驚いた顔。

だよね・・・。

涙でボロボロの顔してるんじゃないのかな?わたし・・・。

「どうした?」

「あ・・・。な、なんでもないです。」

「なんでもないって顔かよ・・・。」

そのまま真咲先輩はベンチの隣に腰を下ろした。

「なんだよ。学校でいやなことでもあったのか?」

「いえ・・・。」

真咲先輩の手が私の頭をそっと撫でた。

「ま、言いたくないこともあるよな。

でも、我慢すんなよ。泣きたいときは泣いてもいいぞ。」

「真咲先輩・・・。」

そっと顔をあげると優しい笑顔の真咲先輩が見えた。

『ポロッ』

なんだか温かすぎて・・・我慢してた涙が落ちる。

「え!あ、お、おい!おれが泣かしてるみたいじゃねーか?」

「だって 先輩が泣きたい時は泣けって・・・・。」

「そ、そうは言ったけど・・・・。」

「ふふ 先輩慌ててる・・・。」

「あ、慌てるだろ!女子高生泣かせてる大学生に見えるぞ!」

「ははっ。」

「・・・笑った。」

「え?・・・おまえはやっぱり笑ってる方がいいよ。」

「真咲先輩・・・。」

『ボロッ』

「あ!おい!・・・もう!しょーがねーな!今だけ特別だ!」

真咲先輩は私の頭をそっと自分の肩に寄せた。

「ただし・・・泣き終わったらいつもの笑顔に戻ること。」

「・・・・はい・・・。」

あたまをそっと撫でる真咲先輩の手が優しすぎて

温かすぎて涙がずっとあふれ出した。


「ハァ、ハァ、ハァ・・・あいつ何処行ったんだ?」

ハリーが息を切らして立ち止まる。

公園の入口。

「ったく 勝手に誤解しやがって!」

ふと顔を上げたハリーの目に飛び込んできたのは

真咲先輩に頭をそっと撫でられる私の姿。

「!!(な、なんでだよ?なんでアイツと花屋が・・・。)」


「・・・先輩・・・ありがとう。もう大丈夫です。」

「そっか?じゃ、来い!」

「え?」

「顔赤し、目赤いぞ!」

「え?」

「そんな顔じゃ家に帰れないだろ?」

「・・・。」

「配達 手伝え! あと少しだから!」

「先輩・・・。」

「ほら。」

そっと立ち上がると先輩が手を出した。

その手にそっと自分の手を重ねる。

大きくてあったかい・・・。

真咲先輩って大人なんだな・・・。

そのままアンネリーの車に私は乗り込んだ。

「ようこ 一人であんま悩むな。

おれじゃ頼りないかもしんねーけどよ、聞くくらいは出来るからさ。」

「真咲先輩・・・・。」

「ほ、ほら、大事な妹分を泣かされちゃ、アニキは黙っていられねーし。」

「ふふ。ありがとう先輩。」

「・・・やっぱ おまえは笑ってる方がいいぞ。」

「はい。」

「ははは。」

真咲先輩といるとなんだかココロが穏やかになれる。

「・・・私の不注意で大事な友達に怪我させちゃったかも知れないんです。」

「え?」

「その人・・・これから大事なイベントを控えてて・・・。」

「例のバンド君か?」

車を運転しながら真咲先輩が答える。

「・・・。」

「そっか。それでなんか酷いこと言われたりしたのか?」

「・・・いえ、そうじゃなくて・・・。逆に優しくされて・・・。」

スラスラと言葉が出る。

私は今日学校で起こったことを真咲先輩に説明した。

「そっか。それはおまえのせいじゃないぞ。大丈夫だ。」

「え?」

「バンドくんもそんなこと言ってないだろ?おまえの考えすぎた。」

「え?でも・・・。」

「全く!おまえは・・・。ま、そういうところがまた可愛いんだけどな。」

「え?」

「あ、いや、なんでもない! さ、配達、配達!ちゃんと手伝えよ!」

「はい。」

私と真咲先輩は数件の配達を終えてアンネリーへと向かった。


「おつかれ! じゃ、家まで送ってやるよ!」

「あ、大丈夫ですよ。そんなに迷惑かけられないですから。」

「ばーか、女の子一人で帰せるかよ!ほら、行くぞ!」

真咲先輩は私の腕をひっぱった。

家の近所まで来て私は車を降りた。

「ありがとうございました。」

「おう! あ、ようこ・・・。 これ・・・。」

真咲先輩がそっと私に花を差し出した。

「オレンジのバラ?」

「そ、オレンジ色のバラ。 店の残りで悪いんだけどな。」

「え?残り物?」

「あははは。」

「もう!先輩ったら!ふふふ。」

「よし、そんだけ笑えてればOKだ。じゃあな。」

真咲先輩は車に乗り込んだ。

『ウィーン』

車のウインドウが開く。

私はそっと手を振り、バラを抱えて歩き出した。

「ようこ!」

後ろから真咲先輩の声がする。

「オレンジのバラの花言葉は ・・・・・元気を出して だ! またな!」

そういうとニッコリ笑って真咲先輩は車を走らせた。

「・・・先輩。」

まさか それを知っててわざわざオレンジのバラを持ってきてくれたんだ。

ありがとう 真咲先輩。

こころが そっと救われた。

最近ずっと淋しかったし辛かったから

先輩の優しさが凄く温かかった。

イベントまであと少し・・・。

このままハリーとは距離を置いた方がいいのかもなぁ。

やっぱりハリーには西本さんの方がお似合いなのかも知れない。

ハリーは優しいからそんなこと言わないけど。

・・・。

私の片思いも・・・。

終わりなのかな?




・・・このまま ハリーと私はすれ違ってしまうんだろうか・・・・。





<すれ違い 真咲先輩の思い編(ハリー編) 完>