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現在地の確認 A地点 中国・西藏自治区省都拉萨 ラサ → 江孜(ギャンツェ) グーグルマップ -+で縮小と拡大、矢印で地図を動かせます。 



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---- 大家~、開始了!------

1987.3月下旬  西藏自治区拉萨(xizang zizhi qu lasa :ラサ → 江孜(ギャンツェ) 第1-2日目 


体調がずっと悪くて、こんな高地に留まっていては良くなるものも良くならないと判断、ラサ脱出?をはかるべく準備していたのに....くぅ~、何たる不覚。調子に乗って、もう二度と拝めないであろうポタラ宮を再度見にいったばかりに、真夜中から発熱してしまいましたのさ。

一晩中、高熱にうなされながら汗をたくさんかき、衣服を着替えては水分を補給し、ありったけの服を着込み、ふとんをあるだけひっかぶって体を温めては寝るということを繰り返し、翌朝出発当日には根性で平熱に下げました、でもフラフラ。(その時にポカリがあればなぁ....)

出発は午後からでチェックアウト時間も正午とゆっくりできたので、さらに大事をとってギリギリまで部屋で休めたのは大変ラッキー。しかし食欲は一切なく、ジュースや果物、お茶を少し口にしただけ。チベットに入ってから食が進まず、おいしいものもなかったので栄養状態も良くなかったとは思います、ほんとにスタミナない状態ですわ。

幸いギャンツェはラサから170キロと、そう遠い距離でもないので移動時間は約半日、夜までには到着するし楽な行程だろう。と、たかをくくっていましたね(汗。ギャンツェ(標高4040m)はチベット第3の都市?でラサ南西170kmにあり、インド・チベット通商路上の要地で、ラマ教(チベット仏教)紅帽派の大本山があります。

無事出発したマイクロバス、外国人観光客ばかり12-13人を乗せて、快調に飛ばして進んで行きます。バスも新しく乗り心地もなかなか、200元(8000円)も払ったけどまぁまぁでしたね。ラサの街を離れて小一時間ほどしたら、ラサ川のキレイな水に映る素晴らしい景色が飛び込んで来ました。川の向こうの断崖に極彩色の大きな仏様が彫られているのです。

磨崖仏です、文革で破壊を免れたものらしく、空の青と川の蒼に支えられて堂々と鎮座していました。その辺り一帯が聖域のようで息を呑みました。ここを通る旅人はその姿に大変励まされたことでしょう。事実わたしも旅の無事を保証されてお見送りされた気がしました。

そのままバスは進み、ヤルツァンポ川の合流地点から、今度はどんどん上へ上へ登って行きます。川の標高が 3,600mなのでラサとそう変わりはないので、この時まではまだ元気で平熱(笑。さらに登ってカンパラ峠(4794m)をめざします。

振り返るとその時はルートや標高をあまりよくは把握していなかったし、何せフランス語も英語も解せずに細かいことは仮に聞けても聞き取れない(汗。公共交通も一切なく、国境の街へいくのはその外国人主催のチャーター便しかなかったのですから、低い低地のネパール・カトマンドゥ(それでも1400m)へ抜けるには唯一の方法で、選択の余地などという贅沢なものは没有。

ちなみに一般現地人は物資を運ぶ貨物トラックやその他乗り物をヒッチハイクもしくは徒歩だったんでしょうね。標高の高いラサから脱出したい一心で、無理してバスに乗ってしまったわたしは、よもやラサより標高の高い方向へ向かっているとはまだ気づいてなかったんです。

一度高い所に行ってからでないと、低い所にはいけなかったのでどーしよーもないというおマヌケな状況ではありますが、そんな場所なんだからしょーがないわ(・・;)。

まもなくヤムドゥク湖へ到着。そこはラサから120km、チベット仏教3大聖湖のひとつで標高4,250mに位置する素晴らしくキレイな湖でした、季節は進み春に近づいていました。

あたりには牧草を喰むヤクが点在し、ぽつぽつとチベット人の簡易なテントが見えたり、どこからともなく現れた、馬に乗ったチベット人が、マントを翻しいずこかへ去ってゆく姿を遠目にみました。見える範囲では荒涼とした景色が延々と続くだけ、一体どこから来てどこに行くのか、不思議な思いにとらわれました。

ところが湖を過ぎたあたりから、いきなり具合が悪くなりだし、どうやらまた発熱が始まったようでした。他の外国人客はずっとバスの中では静か、ラサより高いのでやはり皆静かにせざるを得ません。

そのあと、カロー峠(5045m)を通過したはずですが、わたしの記憶には一切なく、ほぼ意識不明状態で高熱にうなされながら、その後のことはあまり記憶にないんです。気がついたのはバスがギャンツェの宿に到着したときでした。

ガタガタ揺られるのは、やはりしんどいもので、やれやれこれでベッドに横になれるわとやたら嬉しかったのを覚えてます。宿はこじんまりとしていて、多分お寺の坊みたいな場所じゃなかろうか、建物のすぐ側まで茶色い山肌が迫っているような、小さな小さな街のようでした。

見物する元気もなくそのまま、あてがわれた小部屋に入るなり、ベッドに服着たまま倒れこんでしまいました。ふと気がつくと夜でした、少し熱も下がっておりずいぶん楽になってましたね、体調の悪いときの移動は最悪ですわ、お勧めしませんね(笑。

飲まず食わずで眠っていたものだから、何か口にしようと持っていたビスケットなどを食べて外に出てみました。夜なのに、すっごく明るくて月と星明りの威力をここでも思い知りました。前回野犬に襲われそうになった時に見た星空も綺麗でしたが、それよりもここの方がすごかったです!

なぜなら空一面が天の河なんですよね、天の河の幅が広い!!流れ星が次から次にあちこちで流れまくり~。そしてやはり4000mは高くて、手でいくらでも星のつかみ取りができそうでした~。しばらくそこに佇んで星に魅入られてました。あんな星はもう生涯見ることはないと思いますね、苦労して来た甲斐があったというものです。

でも、そこで冷えたのがまずかった....急に寒くなって部屋に戻ると、暖房がいるほどではないけど、またゾクゾク~と寒気に襲われ、ベッドに情けなく潜り込む哀れなわたし、せっかく下がった熱がぁぁ~~。具合が少しでも良くなるとすぐウロウロするのは子供と同じ、増してここはラサよりもさらに標高が高いんですからね、具合も悪くなるわけですわ、とほほ。  つづく



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