p>[中国旅行] ブログ村キーワード


現在地の確認 A地点 中国・西藏自治区省都拉萨 グーグルマップ -+で縮小と拡大、矢印で地図を動かせます。 



大きな地図で見る



---- 大家~、開始了!------

1987.3月下旬  青海省格尔木(ゴルムド)(ge er mu )→ 唐古拉(タングラ峠) → 西藏自治区拉萨(xizang zizhi qu lasa :ラサ 第6-8日目 


観光も一段落して、休息を兼ねて始めて入った店、最初は普通に注文したものが運ばれてきて、普通に食事をしていたわけですよ。食べかけて間もなく、周囲にわらわらとチベット人の子供が寄ってきて、テーブルの横に張り付いて、じいっ~とわたしの食べてるのを、必死の面持ちで見てるんですよね...(・・;)


食べにくいのなんのぉ、よくよく見るとその子供たちは全身真っ黒で、あ、日焼けじゃないですよ。垢で真っ黒、着てるものもボロボロでね、見るからに子供の乞食なんですよね....10才未満の。それまでの中国旅行で散々乞食は見てきたけど大抵親が一緒でした。

でもその子達は多分孤児、そんな子供同士が何人も肩寄せ合って一緒に行動してたようですね。今で言うストリートチルドレンなのかな、そして乞食のいる場所ってたいがい決まってて、駅前とか店の入り口付近で、中にまでは絶対入ってこないんです。

子供だからか、あまりにも飢えてたからなのかがわかりませんが、それはチベットがとくに貧しいということなんでしょうか。他の客のテーブルの周囲にも大勢いましたね。外国人の中には声を荒げて追い払ってる人もいました。

さすがに苦情が出たのか、店の人がやっとその子供たちを追い払って出て行ったんだけど、ほんと切ないですねぇ。わたしは飢えた経験なんて皆無だしやっぱりわからないけど、飢えた子供の目の前での食事は喉を通りませんよ。

子供たちはいなくなったけど、一気に食欲がなくなっちゃって、ミルクティーをすすりながら悄然と座っていたら、誰かが声をかけてきました。「日本人ですか?」って....見ると若者二人組、「空いてる椅子に座っていいか?」と尋ねるのでもちろんOK。一部始終を見てたのか、彼らが話す内容にさらに打ちのめされました。

ラサには野良犬と同じくらい、浮浪児がたくさんいて、いつも食べ物を求めてうろついていること、ある白人女性旅行者がその中の一人の女の子を、自分の泊まっているホテルに連れていき、お風呂に入れてキレイに洗ってやり、新しい服と靴を買い与え、ずっと部屋に泊まらせて、どこにでも連れ歩いていること、かれこれそんな生活が一月にもなっていることなど...。

その二人組はすごく憤っていて、旅行者なのだから、いずれラサを旅立ち、中国から出国して自分の国へ帰国するのになぜそんなことをするのか?可哀想だからといって、一時の感情に任せてその子供の責任をとれない立場で、今は女の子の世話をしているけど、自分がいなくなった後はどうするつもりなのか?

もちろん連れてはいけないし、置いてゆくのならもっと可哀想ではないか?そもそもどういうつもりでそのようなことをするのかが分からない。女の子はやさしくしてくれる女の人にすっかり懐いているそうです。浮浪児とはいえ、女の子は犬猫のようなペットではないし、いらなくなったらいずれは捨ててゆく気か!それなら最初から何もしない方がずっといいと....ざっとこういうことでした。

貧しい発展途上国の子供に、甘い飴やチョコを不用意にあげてはいけないのです、なぜならその蜜の味を知った途端に、彼ら自身の力ではいくらがんばっても、その美味しいお菓子は買えないことを思い知り、また子供だからね、食べたくて食べたくて仕方がなくなる、でも食べることはけしてできないんです。知ってしまったがための不幸というのですかねぇ、それは不文律みたいなものですね。

直接見聞きしたわけでもなく、その白人女性も誰だかしらない人なので、どういうつもりなのかはわたしには分かりません。でも二人組の言う通りなら、まったくもってその通りだし、部外者ができること、してはいけないことを、はるかに逸脱した話で大変驚きました、言葉を失いました。

わたしの方が先にラサを出たので、結局その女の子はどうなったのかわかりません。もし置いてゆかれたのなら、元の生活に戻るだけとは思えない、ペットでも捨ててはいけないことなのに、まして人にそんなことをするのは言語同断です。捨てられた動物も心が傷ついているんですからね。

その二人組は何とラサに一月も滞在していていろんなことを教えてくれました。某有名私学W大探検部の部員で、春休みを利用してラサのフィールドワーク?をしているようでしたね。チベット語も現地で少し覚えて、毎夜チベット人の集まる居酒屋に出没しては、チベット餃子のモモをつまみに、チャン(チベットのお酒どぶろく)を飲みすぎては酔っ払った~と楽しそうに言ってました(笑

その中で耳寄りな話を聞きつけました、3月末までは冬季のオフシーズン、一流ホテルの部屋代がディスカウントされているというのですよ、当時の一番いいホテルはラサホテル。ここは四川省の成都から飛行機に乗ってぶ~んとやってくるような人の泊まるホテルです。

オンシーズンなら1万円ほどはするのかな、そのような部屋が一泊10US$前後で泊まれるそうな!当時のレートは1$=170円ほどだったと記憶してるんですけど、いずれにせよ2000円まででラグジュアリホテルに泊まれるのはうれしい美味しい話です。

翌日には早速安宿を退房(チェックアウト)したのは言うまでもありません。  つづく



にほんブログ村に参加中、応援のポチいつもありがとうございます!にほんブログ村 旅行ブログ 放浪の旅へ