Привет( ・ω・)ノ

先日に続き、ウクライナ情勢の覚書です。

このページでは、ロシアの世論調査期間『レヴァダ・センター』と、ウクライナの『キエフ国際社会学研究所』が共同で行った世論調査の結果を読んでいきます。

非常に興味深い結果となっています。

Левада-центр
03.03.2014
Совместное исследование Левада-центра и Киевского международного института социологии, посвященное изучению отношения жителей Украины и России к событиям, которые происходили в Украине в течение января-февраля 2014 года.

ウクライナ情勢に対するウクライナ国民とロシア国民の反応


2014年1月~2月にウクライナで起きた事件に対する、ウクライナとロシアの住民の反応に関し、レヴァダ・センターとキエフ国際社会学研究所が共同調査を行った。

レヴァダ・センターは、ロシア国内45地域130市町村に住む、18歳以上の1603人の都市および農村住民を対象に、2014年2月21日~25日(注1)に全国抽出方式による世論調査を行った。回答は過去のデータとともに、回答総数に対するパーセンテージで示されている。この調査の統計上の誤差は3.4%を超えない。キエフ国際社会学研究所は、独自の「オムニバス」世論調査を2014年2月8日~18日(注2)に行った。ウクライナ国内の全ての州(キエフを含む)とクリミアに居住する2032人に対し、18歳以上のウクライナ国民を確率抽出方式によって選び出し、聞き取り調査を行った。このデータの統計上の誤差は2.2%を超えない(デザイン効果は考慮しない)。

注1 調査はウクライナ東部での騒動より前に行われた
注2 調査は「マイダン」支持者が政権につく前に行われた


■キエフ中心部での抗議行動に人々を駆り立てた理由

人々を抗議行動に駆り立てた主な理由として、ウクライナ住民の大部分(43%)は「ヤヌコーヴィチの汚職体制に怒りを感じたから」だと考えている(この見解の支持者は西部地域で最も多く、東部地域では最も少ない)。回答者の3分の1(30%)が主な理由として挙げたのは、「ウクライナを自分たちの政治的利益の範囲に引っ張り込みたいと考える西側の影響」だった。しかしながら、国民の意見は地域によって激しく異なっている:東部と南部ではこう考えているのはそれぞれ57%、44%だが、中央部と西部ではそれぞれ17%と5%にとどまる。

主な理由の第3位、第4位(同率)はそれぞれ4分の1ずつの回答を得た:「ウクライナを他のヨーロッパ諸国と同様の文化的な国にしたいという思い」(27%)、「『ヴェルクート/国内軍』の強硬な行動に対する抗議」(26%)「権力の横暴を許さない国民としての自尊心」(25%)(統計上、差は少ない)。キエフでの抗議行動に人々を駆り立てた理由として、ロシア国民は3つを挙げている:西側の影響(43%)、ナショナリズム的な気運(31%)、ヴィクトル・ヤヌコーヴィチの汚職体制に対する怒り(17%)。

ウクライナ国民もロシア国民も、ウクライナでの抗議の理由として最も少なかったのは、「ウクライナをロシアの経済的・政治的押し付け政策から解放し、独立したいという思い」であった(ウクライナでは12%、ロシアでは11%)。


■ウクライナにおける衝突激化の責任

ウクライナでもロシアでも、回答者たちが衝突激化の責任があると考えているのは、まずヴィクトル・ヤヌコーヴィチと彼の政府であった。この意見を支持するのは、ウクライナでは49%(最も多いのは西部―80%、最も少ないのは東部―23%)、ロシアでは44%だった。この件に関して最も罪があるとロシア国民が考えるのは、「西側諸国の上層部」(36%)であり、こう答えたのはウクライナでは18%であった。野党に罪があると考えているのは、ウクライナ国民とロシア国民ではほとんど同じ割合であった(それぞれ34%と33%)。しかし、ウクライナでは評価は地域によって異なっている。衝突の責任が野党にあるとする回答者が最も少なかったのは西部―10%で、最も多かったのは東部―68%だった。「罪がある」という回答が最も少なかったのは、ロシア上層部だった(ウクライナ国民7%、ロシア国民4%)。


■衝突のどちらの側に共感するか

ウクライナ国民の33%がどちらの側にも共感していない。ロシア国民の大部分は中立の立場をとっている(63%)。ウクライナ国民は抗議側に共感する人(40%)の方が、ヴィクトル・ヤヌコーヴィチ率いる政権に共感する人(23%)より多い。ロシアでは逆である:政権側と答えたのは14%で、抗議側と答えたのは9%だった。


■地域および社会・人口統計的性格による、政権と抗議側の評価の人口統計差・地域差

抗議側に共感を示した人が最も集中したのは、西部(80%)と中央部(51%)だった。南部では抗議側に共感したのは20%だった。最も少なかったのは東部の8%で、これは西部の10分の1の数字である。ヴィクトル・ヤヌコーヴィチ政権に共感すると答えた人が最も多かったのは東部(52%)に集中しており、かなり離れて南部(32%)だった。ヤヌコーヴィチ政権に共感すると答えた人が最も少なかったのは、西部(3%)と中央部(11%)だった。

性別による違いはあまりない:ヤヌコーヴィチ政権に共感すると答えた人は、女性(26%)の方が男性(20%)よりやや多い。抗議側は逆に、男性(43%)の方が女性(38%)よりも多い。

年齢別では規則性が見られる:年齢が高くなるほど政権を支持する人が多く、低くなるほど抗議側を支持する人が多い。ヴィクトル・ヤヌコーヴィチとその政権を支持するのは、50歳~59歳のウクライナ国民では26%、60歳~69歳では28%、70歳以上で38%。全体的に、若者や中年層は抗議側に共感している:18歳~29歳では44%、30歳~39歳では42%、40歳~49歳では43%。しかし、他の年代で抗議側を肯定的にとらえている人々も、かなり高い水準を保っており、30%を超えている点に注目すべきである。

高等教育を受けたウクライナ国民は、抗議側の方を政権側よりも多く支持している(それぞれ45%、17%)。この比が最も少なかったのは、初等教育を受けた人だった(33%、29%)。


■あなたの意見では、今キエフ中心部で人々を抗議行動に駆り立てているのは何だと思いますか?(全回答に対する%;複数回答)



ウクライナ地域別



西部―ヴォルィニ州、リウネ州、リヴィウ州、イヴァノ・フランキウシク州、 テルノピリ州、ザカルパト州、フメリニツキ州、チェルノウツィ州

中央部―ヴィンヌィツャ州、ジトミル州、スームィ州、チェルニヒウ州、ポルタワ州、キロヴォフラード州、チェルカスィ州、キエフ州、キエフ市

南部―ドネプロペトロウシク州、ザポリージャ州、ムィコライウ州、ヘルソン州、オデッサ州、クリミア自治共和国(セヴァストポリ市含む)

東部―ドネツィク州、ルハンシク州、ハルキウ州



■あなたの意見では、誰にウクライナでの衝突がエスカレートした責任がありますか(全回答に対する%;複数回答)



ウクライナ地域別




■ウクライナの今の衝突で、あなたが共感するのはどの側ですか?(全回答に対する%;複数回答)


ウクライナ地域別



男女別


ウクライナ年齢別


ロシア年齢別

ウクライナ学歴別




ウクライナ国内でも、意見の違いがかなり大きいように思います。特に西部の住民は、やはりヤヌコーヴィチ政権に批判的な人がかなり多いようです。

ロシアの影響下から脱したいと思う人は、ウクライナのどの地域でもロシアでもそれほど多くないんですね。


この調査はヤヌコーヴィチが政権を追われる前、ロシアがクリミアに入る前に行われたものです。

今調査をしたら、結果は大きく変わるかもしれませんね。