彼の愛車シルフィーがお嫁に行きました。
久しぶりにエンジンをかけてあげて、私は助手席に座ります。
カーナビを見たら最後に設定したのは息子のマンションでした。
そのすぐ後に倒れたのでしたね。
残っていたCDは姫神が歌う「神々の歌」
彼はこの歌をいつも聞いていました。
私は最後にこのCDをかけてあげて泣きました。
シルフィーは雪道を静かに走って行きました。
「さようなら。」
彼女はそう言っているようでした。
私もつぶやきました。
「さようなら。ありがとう。」
彼も泣いていました。