ユング心理学における「集合無意識」とは、フロイトが解明した潜在意識の根底に、家族や民族、そして地球に生きる全人類そして全生命共通の、深いバックボーンが眠っているという理論です。

 そしてこの「集合無意識」の存在こそ、ユングがキリスト教そして仏教、更にはそれ以前のアテン教との間のミッシングリンクから発見した、新しい神の呼称だった可能性があります。

 そもそも、キリストが目指していた教えは、今日までの世界情勢で問題視される様な、厳しい教条主義ではない部分の方が多かったと言えます。

 そして「キリストは仏教徒だった」という説もあるように、古代エジプトの異教であった、太陽神アテンへの唯一神崇拝、仏教に於ける人類共通の境地としての「悟り」を、大きな愛の原理としての「神」と呼んでいた、と考えられますが、そのスケールが大きすぎたため、十二使徒たち弟子が曲解した可能性があります。

 詳細は、以下のリンクで私説を併せてお読み頂ければ幸いです。

キリストが本当に暴きたかった、魔王サタンの正体

 一方、ユダヤ人が「出エジプト」などの過酷な歴史のために、エジプトの悪魔セトへの唯一神崇拝と、アテン教とを混同してしまったことが、ユダヤ教の神ヤハウェを、現代社会にまで混乱をもたらす様な神に変えましたが、フロイトは名著『人間モーゼと一神教』の中で、ヤハウェの負の側面をえぐり出しました。

 そして十二使徒たちの曲解とは、キリストの茫洋とした神概念に付いていけない自分たちのために、民族的サディズムの権化であったヤハウェを、キリストの神にしてしまったことでした。

 そしてフロイト説が、欧米史が重ねてきたユダヤ・キリスト教徒の古傷に、塩と唐辛子をすり込んだのを見て、ユングはそれとは別に、アテン教と仏教そしてキリスト元来の教えに横たわる、大きなミッシングリンクに、希望を見いだしたのではないでしょうか。

 そしてそのミッシングリンクこそ、ユングがキリストの「神」に捧げた新しい名前「集合無意識」だったと言えます。

 続いて、本日のご紹介記事は、京都の手相のケンちゃんによる、明宮旦佳の紹介記事です。

 手相にタロット、コラボも楽しみな記事です。

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