サイエンスカフェにいがたに参加してきました。

第70回となる本日のカフェは「見えない物質、ダークマター ―宇宙最大の謎に迫る― 」。

ゲストは、東京大学宇宙線研究所神岡宇宙素粒子研究施設 の研究スタッフ、平出克樹さんです。


宇宙が誕生して、138億年。地球は46億年。壮大なスケールに心弾みます。

「ダークマター」……この謎めいた名前にも、ワクワク。


ダークマタ―は、1934年にスイスの天文学者フリッツ・ツビッキーによって提唱されたそうです。

なんと!宇宙の約95%は暗黒で、通常の目に見える(観測される)物質は、宇宙全体の約4~5%にすぎないとは!宇宙を構成しているものは、星や銀河だけではないんですね。宇宙で目に見える物質の他にあるものは、ダークマタ―が24%、ダークエネルギーが71.4%、通常の物質4.6%─というのが最近の研究でわかった宇宙の組成。暗黒とは、電磁波で観測できないためダークと呼ばれ、ダークマタ―(暗黒物質)とダークエネルギー(正体不明)の違いは、重さがあるかないかということなんですって。ほぉ。


ここで、ダークマタ―存在の証拠と正体は?って、思うでしょ?


見えなくても、重力レンズ現象(銀河団などの強い重力源により、遠くの銀河からの光が曲げられた結果、銀河の像がいくつも見えたりゆがんで見える現象)などの観測により、ダークマタ―の存在は示されています。また、その正体は、ニュートラリーノという素粒子が最有力候補なのですが、ダークマタ―の謎に迫るには、検出する必要があります。


そこで、岐阜県飛騨市にある神岡鉱山の地下1,000mにXMASS(エックスマス)検出器が設置されたわけですが、宇宙の成り立ちに関わるダークマタ―を捉えることができれば、大変なことになります!(神岡は、スーパーカミオカンデでも知られていますね。)


そして、ダークマタ―の謎に迫っているのは、日本だけではありません。世界中で熾烈な競争が繰り広げられていて、スイスとフランスの国境の地下に設置されたLHC(世界最大の衝突型円形加速器)では、これまでにない高エネルギーでの素粒子反応を起こすことができるため、ダークマタ―を人工的に生成することができるかもしれないとは!来るのを捉まえるのと、どちらが早いでしょうか。


宇宙の研究は華やかなように見えますが、毎日観測し、結果を分析する研究者には強い忍耐力が必要なようです。貴重な写真や図を交えながらのお話は楽しく、参加者から次々に上がる質問は興味深いものばかり。

宇宙への憧れを意識したひとときでした。


会場(ジュンク堂書店新潟店地下1階のカフェスペース)は満席で、最前列に小中学生の姿が見えたのも印象あざやか。頼もしいですねぇ。サイエンスカフェは科学の専門家のお話をコーヒーを飲みながら聴ける素敵な場です。聴くだけでなく、直に質問もできます。サイエンスカフェにいがたは、会場が新潟駅南口直結の書店内のカフェスペースという気軽さもあります。参加者の年代は幅広く、親子で家族でカップルでおひとりで、と様々。ほぼ毎月1回開催のようです。



星第70回サイエンスカフェにいがたtogetter http://togetter.com/li/568246


サーチサイエンスカフェにいがた http://www.ecosci.jp/n-cafe/