第7回サイエンスカフェにいがたに行ってきました。
@ジュンク堂書店新潟店 B1 カフェスペース
今回のテーマは、「鳥インフルエンザ問題から見直す、人と野鳥のより良い関係」。
講師は、動物衛生研究所 疫学研究チームの小泉伸夫氏です。
まず、高原病性鳥インフルエンザとは、から始まって鳥インフルエンザをめぐる情勢と予備知識を確認してから、大きな二つのテーマについてお話を聞きましたが、いつものサイエンスカフェより積極的な質問が多く出て、鳥インフルエンザに寄せられる関心の高さを感じました。
テーマは次のふたつです。
テーマ1.鶏肉の表示について
鶏肉の店頭表示の現状と、高原病性鳥インフルエンザが国内で発生したときの状況
テーマ2.本当に鳥からうつる?鳥インフルエンザ
野鳥の餌付けに関する各地の状況と、人と野鳥と鳥インフルエンザの関係
今回もいろいろ考えさせられました。
鶏にインフルエンザ・ワクチンを打った方が良いかと聞かれたら、ワクチンを打った方が鶏が病気にならなくて良いのかなという気になりますが、
では、そのワクチンを打った鶏の肉を食べますか?と聞かれたら、即答でNO ! と拒絶したくなります。
会場のアンケートでも、はじめの質問では、?(わからない)、○(打った方が良い)
が混じっていたのに、次の質問の食べますか?では、×が大多数でした。
消費者の立場にたつと、見方が変わるのは興味深いです。
日本では、高原病性鳥インフルエンザが発生した場合、感染した鶏だけでなく感染の恐れのある鶏も全て殺処分されます。ワクチンは、発症は抑えても、ウイルスの増殖は完全に抑えられないのです。ウイルスの侵入を見逃すことになるので、日本では鶏にワクチンは打っていません。
餌付けに関する各地の様々な取り組みと状況では、条例化を待たずに市民運動としてうまく展開していった例があり、市民の地道な呼びかけがいかに大きな力となるのか感じます。餌付け問題は、生態学に基づいた環境問題として論議されるべきで、社会環境的・教育的な問題も含んだ問題であるという認識を忘れてはいけないようです。
鶏肉に限らず、食品で何か問題が起きると、正しい知識がないままテレビ報道に恐怖心を煽られ、結果として風評被害につながると考えられます。
一般市民にとって、研究者からの正確な情報提供の場であるサイエンスカフェは
非常に大きな意義を持つものだと、改めて感心しました。