第6回サイエンスカフェにいがたに行ってきました。

@ジュンク堂書店新潟店 B1 カフェスペース


雪化粧したけやき通りがきれいです。すっかり冬景色になりました。

今回のテーマは、「雪と氷の不思議な魅力」。

講師は、防災科学技術研究所雪氷防災研究センター センター長、佐藤篤司先生です。


氷のブロック(レンガ大)に、重り(3kg)をつけたワイヤー線とナイロン線(各0.3mm)の2本をかけて、復氷実験からスタート。ワイヤー線が氷にくい込みながらどうなっていくのかを楽しみにお話がすすみました。


内容は、地球と水の奇跡、氷の種類、誰が最初に雪の結晶を見たか、雪の変質、雪と災害、氷は不思議な物質といった構成で、気圧と温度、湿度と気圧、湿度と融点をグラフにした専門的な講義タイムと、雪の美しい結晶が大画面に繰り広げられるファンタジータイムのバランスも良く、知的好奇心と美的好奇心が満たされる楽しいものでした。


雪の結晶が六方対象だと記したのは、古くは、中国の韓嬰で、BC150頃だそうです。

16世紀にはスウェーデンの僧正マグヌスや17世紀にはフランスのデカルトも雪の結晶について研究していたなんて、やはり、身近な研究対象だったよう。日本では、江戸時代に下総古河の領主、土井利位(どい としつら)が、雪の結晶を観察し、「雪華図説」を出版(1832年)。そして、この「雪華図説」を「北越雪譜」(1837年)で広めたのが、新潟県塩沢町が生んだ文人、鈴木牧之(すずき ぼくし)だったのです。

あの時代に、雪深い地で雪国の暮らしを本にしたのも驚きですが、今では英語版もあります!


「北越雪譜」のヒットで、江戸は雪ブームとなり、着物や櫛や器に雪の結晶がデザインされたと知ると、新鮮な気持ちで雪を見たくなります。雪の結晶が描かれた飾り壺も、本当に美しいです。


米国でベントレーが雪の結晶の写真集を出版したのは、1931年。

そして、雪に魅せられた科学者、中谷宇吉郎(なかや うきちろう)の登場となります。上空の水蒸気の量と気温で結晶の形が決まることを発見した中谷博士の

「雪は天から送られた手紙である」という言葉をご存知の方も多いでしょう。科学をわかりやすい言葉で残してくれた偉大な科学者です。


氷にすいこまれていくように閉じ込められたワイヤー線の上の氷は、繋ぎ目のない

氷になっていました。圧力融解と再凍結が同時に起こる復氷のメカニズムを目で見て手で触って確認。面白いものですね。


積雪の層構造などの貴重な写真もたくさん見せていただき、雪と氷にちょっと詳しくなりました。


しまり雪、ざらめ雪、こしまり雪、こしもざらめ雪、なんていうのもあるんですよ。

♪こな~ゆき~、だけじゃありません。


講師の佐藤先生は、2月5日のNHKBShiの番組「アインシュタインの眼」にご出演だそうです。




次回のサイエンスカフェにいがたは、2月9日。

テーマは「鳥インフルエンザ問題から見直す、人と野鳥のより良い関係」。

講師は、動物衛生研究所 疫学研究チームの小泉伸夫氏です。