『グリース』 | 銀幕と緑のピッチとインクの匂い

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映画は洋画、それも古い映画が大好き。本は外国文学。ドラマは洋物。サッカーは海外チームと代表の応援、という思いっきり偏った嗜好で、天の邪鬼に感想を語ります。但し、脱線話題多し。

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GREASE
1978年アメリカ映画 パラマウント カラー 110分
監督 ランダル・クレイザー
出演 ジョン・トラボルタ オリヴィア・ニュートン=ジョン ジェフ・コナウェイ ストッカード・チャニング イブ・アーデン ディディ・コーン ダイナ・マノフ フランキー・アヴァロン 



 1959年9月の新学期。最上級生になったライデル高校の不良グループのリーダー、ダニー・ズーコ(ジョン・トラボルタ)は、夏休みにバカンスに行った先で恋に落ちた少女サンディ(オリビア・ニュートン=ジョン)と突然学校で再会する。彼女は、父親の転勤で転校してきたのだった。再会を純粋に喜ぶサンディと、仲間の手前クールに突っ張るダニー。夏に恋したダニーは、まるっきり別人間になってしまい、サンディは、失望してしまう……。


 
 ハリウッドを席巻したミュージカル時代は終わりをつげ、70年代後半に出てきたミュージカルが、この映画でした。オリジナルではなく、71年に初演されて人気を博したブロードウェイミュージカルの映画化です。


 時代が1950年代(の終わりですが)であるため、古き佳きアメリカの姿が、そこかしこに出ています。女の子のポニーテール、バルーンスカートは、今見ても、可愛いです。一方で、既にロックが登場した世の中。グリースで髪を固めた不良っぽいグループも登場してきます。59年という年は、そうした彼らが共存した時代だったのでしょうか。


 
 『慕情』の音楽にのって、ダニーとサンディのひと夏の浜辺での恋が描かれます。『慕情』の音楽が使われているのも、50年代が舞台だからでしょう。

 その後のアニメでのオープニングは、とても面白い。

 転校してきたサンディは、女子版不良グループ、ピンクレディーズと親しくなります。この映画、日本のピンクレディの絶頂期と同じ時代なので、思わず笑ってしまいました。ここのボスはリゾ(ストッカード・チャニング)。いやいや、オリビアといい、ストッカードといい、30歳を過ぎた女優さん、俳優さんたちが、高校生を演じるというツッコミどころ満載の映画でもあります。

 
 ストーリーは、ダニーとサンディの恋の行方に、仲間を絡めた話です。まあ、正直他愛ないもの。見どころは、やはり、歌とダンスです。



 夏の想い出話をもっとして、と言われ、トラボルタとオリビアが別々のシーンで歌う『想い出のサマー・ナイツ(Summer Nights)』。思わずこちらも、♪テルミーモア、テルミーモア~と歌ってしまう楽しさです。バルーンスカートの女の子たちが可愛いんですよ。

 ストッカード・チャニングが歌う「私はサンドラ・ディー」は、初回のTV放送では気がつきませんでした。ブロンドでキュートな、当時大変な人気者だったサンドラ・ディーをちょっと皮肉った歌でしょうか?トロイ・ドナヒュー、ロック・ハドソン、エルビス・プレスリーなども歌に登場します。

 夢のシーンでは、フランキー・アヴァロンが登場して「ビューティ・スクール・ドロップアウト」を歌います。

  ドライブインシアターでは、『マックイーンの絶対の危機』の予告編が流れます。ダンス音楽はエルビスの歌「ハウンド・ドッグ」。口ずさむ歌は、「ラ・バンバ」。思いっきり50年代で嬉しくなります。

 そして迎えた卒業の日、何と校庭にはカーニバルが!こんなこと、本当にあるんでしょうか。 
 「愛のデュエット(You're The One That I Want)」も流行りました。

 この映画を観るまでに、黄金時代のハリウッドミュージカルをいくつか見た私は、最初この映画を見た時、楽しいけれど、何だかなあと思いました。だって、それまでの清く正しいミュージカルとは違いますものね。

 でも、今見ると、何と楽しい!深いことなど考えずに、音楽のリズムにのって、老けているけれど若い(笑)オリビアたちを楽しみたい映画です。


トレイラーです。