9月1日も無事に終わりました。関東大震災の日です。子供のころに漫画の『はいからさんが通る』で、関東大震災を身近に感じましたが、今年は連ドラの『花子とアン』の影響で、また身近に感じる年となりました。

 9月1日は、個人的にはもっと重い日です。特に9月1日午前3時は、魔の時として、死ぬまで忘れられないでしょう。

 9月1日午前3時。日曜日から月曜日に変わる頃。ああ、今年と一緒なんですね。火曜日締切の仕事を、一日前の月曜日に提出したかった私は、かなり無理して深夜も仕事を続け、終わったのが午前3時。ほっとしてやっと寝ようとしました。しかしながら、仕事でフル回転した頭は、冴えきって(私にしては)すぐ寝られるものでもなく、グダグダとしながら横になっていました。その時、家人がトイレに起き、廊下で倒れました。くも膜下出血でした。

 私は、起きていたので異変に気づき、すぐに救急車を呼ぶことが出来ました。

 でも、もしぐっすり寝入っていたら?

 もし、朝まで気づかなかったら?

 恐らく、人生は全く違ったものになっていたでしょう。

 あの時、夕食後から夜中の3時まで仕事でフル回転して、もうヘロヘロの状態でした。どんなに途中で寝ようと思ったか。でも、日曜日に終えてしまえば、翌日は提出さえすれば、一息つけるのです。仕事のサイクルとして、無理してでも、締切一日前に終える、が私のポリシーでした。

 でも、もし思いがけず、仕事が早く終わっていたら?

 もし仕事は明日にしよう、と思って、寝ていたら?

 運命とはわからないものです。

 長い長い緊急手術を受けて、一睡もしないまま一日を終え、ホテルでついに眠りに落ちたその日の夜、バッテリーが切れていた筈の携帯電話が枕元で鳴りました。血管から出血があるために、再手術が必要なので、電話で承諾して欲しいというお医者様からの電話でした。

 深夜3時までの仕事。鳴らないものと思っていた携帯電話。まさしく、小説より奇なる世界です。

 人には、やはり運命というものがあるのかと思いました。

 それ以来、8月31日になると、胸がバクバクします。そして、1日の午前3時を過ぎると、ホッと息をつくのです。

 あれから6年目の午前3時が過ぎました。