墓石と決闘 [DVD]/20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

¥1,944
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HOUR OF THE GUN
1967年アメリカ映画 UA
監督 ジョン・スタージェス
出演 ジェームズ・ガーナー ジェイソン・ロバーズ ロバート・ライアン アルバート・サルミ フランク・コンヴァース サム・メルヴィル ウィリアム・シャラート ジョン・ヴォイトカール・スウェンソン リチャード・ブル
音楽 ジェリー・ゴールドスミス


 OK牧場。アイク・クラントン率いるクラントン一家と、アープ兄弟とドク・ホリディの決闘が行われる。仲間を失ったアイク・クラントンは、アープ兄弟に復讐を始める。クラントン一味の卑劣な復讐が、アープ兄弟を襲う。


 大好きな映画です!あのOK牧場の決闘の、後日談です。映画はいきなりOK牧場の決闘シーンから始まります。史実に忠実に、その決闘は数秒でケリがつきます。今更ネタバレにはならないと思うので書きますが、アープ兄弟が決闘に勝ち、アイク・クラントンは弟を失います。街は平和を取り戻したかに見えますが、アイク・クラントンの壮絶な復讐が始まり、卑怯な方法で、アープ兄弟の弟たちが狙われるのです。

 『荒野の決闘』ではヘンリー・フォンダ。『OK牧場の決闘』ではバート・ランカスターが演じたワイアット・アープを今度は、ジェームズ・ガーナーが演じます。このガーナーさんが、格好良いのです。彼は、コミカルな演技も出来ますが、こういう男くさい男を演じさせても一流です。背が高いし、西部劇に映えるんですよね。

 60年代には、すっかり廃れたと言われる西部劇ですが、西部劇を演じられる最後の俳優世代が、ガーナーさんだったのかな、と今は思います。

 このワイアット・アープが熱いのです。ネタバレになるのであまり言えませんが、保安官のバッジに誓った男です。が、熱いのです。法の下の正義を追及する筈の人なんですが……熱いのです。家族愛に燃えているのです。でも、その人間臭さも、ジェームズ・ガーナーの演技のうまみで上手く調和されていて、良いのです。

 ドク・ホリディには、ジェーソン・ロバーズ。いささかお年を召していますが、肺病を病んでいるドクの役には、もしかして今までで一番合っているかもしれません。年上だけに、友人として人生の先輩として、ワイアットを見ています。この男同士の友情がまた熱い。

 男同士の友情といえば、ジョン・スタージェスの『荒野の七人』を彷彿とさせるような、クラントン一家と対決するために、仲間を集めるシーンがあります。保安官一人は、ワイアットと知り合いですが、あとは寄せ集めです。クラントン一味の一部にお尋ね者の賞金が懸けられていて、その賞金を稼ぐために集まったメンバーです。しかし、寄せ集めの彼らにも、友情らしきものが存在している。とにかく男同士の友情がいっぱい詰まった映画なのです。
 
 アイク・クラントン役にはロバート・ライアン。素敵なキャストを揃えたものです。出番は多くはないですが、さすがの貫録を示しています。悪役が多いけれど、私、ライアンさん好きなんですよね。これまた、すらっと背が高くて、決闘シーンの格好良いこと。

 街の人、クラントン一家などの脇役がまた素敵なんです。まずは、クラントンの部下役で、かなり無鉄砲な若造に、ジョン・ヴォイト。まさしく若造としか言いようのない役なんですね。暴れてやれ!という感じです。

 街の有力者たち。これは、『大草原の小さな家』ファンは感涙ものです。その名もチャールズというドクター役に、ハンソンさんことカール・スウェンソン。有力者の一人に、オルソンさんことリチャード・ブル。裁判の傍聴席に、二人並んで座っております。結構出番があって、ガーナーさんたちともかなり絡みます。この人たちがたっぷり見られるのは嬉しいですよ。

 音楽はジェリー・ゴールドスミス。この曲がまたいいんです。威勢よく物語を盛り上げたり、時にはスローなバラード調で流れたり。名画に名曲あり。

 西部劇好きな方は、是非機会があればご覧ください!損はしません。


 トレイラーです。




 テーマ音楽です。素敵でしょ。コンプリートで長いので、最初のテーマだけ聞きましょう。興味のある方は、勿論全部聞いちゃってください。