日本で無輸血手術に取り組んでいる病院の一部を紹介したいと思います。その病院は、どんな無輸血出術の技法を使っているでしょうか。
〇幸有会記念病院
千葉市花見川区こてはし町77-3
TEL043-259-3210
幸有会記念病院の外科医は一滴の血液さえもおろそかにしない丁寧な手術を心がけ、無輸血手術こそが究極の技術的目標と考えているそうです。
術前の造血剤(エリスロポエチン製剤)や鉄剤、術中のセルサルベージ(セルセーバー)の利用といった輸血以外の手段を用います
。
対応疾患は、消化器外科(食道・胃・十二指腸・肝臓・胆嚢・膵臓・脾臓・大腸・肛門疾患)全般、内視鏡手術、乳腺・一般外科の全般的疾患、末梢血管外科(透析シャント・人工血管・動脈表在化手術)、泌尿器科・整形外科・婦人科・内科に関してはその疾患の一部。
〇福岡徳洲会病院
福岡県春日市須玖北4丁目5番地
TEL092-573-6622
春日市徳洲会病院
【術前術後の増血療法】
血液の素材となる鉄剤、葉酸、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンB6などの成分を薬剤として投与し、血液細胞を増加させる方法をとっています。外科手術に先立って投与したり、治療後の貧血に対して投与したりします。
この増血療法によって、貧血を改善し全身状態を安定させ、治療に備えます。
これまでに、出血を伴う良性疾患や悪性腫瘍の多くの手術に際し、この増血療法を適用し、輸血を回避しています。この療法でヘモグロビン濃度を増加させて、消化器癌、婦人科疾患などの根治手術を無輸血手術によって施行しているそうです。
無輸血手術の達成には高度な医療スタッフと技術、そして最先端の医療機器の設備が必要です。
この病院は、それぞれの専門医学会の認定施設に指定されており、各手術スタッフは各学会所属の指導医、専門医の資格を有し最先端の外科手術を多く実施し、業績を積み上げているということです。
血管内手術、内視鏡(腹腔鏡、胸腔鏡、関節鏡)手術、ダメージコントロール手術、オフポンプバイパス手術などの低侵襲手術を安全に行うことによって術中出血量を最小限に抑えています。
用いる機材機器は超音波凝固メス、各マイクロサージェリー機材機器、アルゴンビーム凝固装置、ラジオ波焼灼装置、キューサー、セルセーバーなどです。
【救急救命治療体制と止血術】
この病院は年間9000台を超える救急車の搬入を受け入れています。胃潰瘍などの消化管出血、交通事故による重症臓器損傷で多量の失血を伴い搬入される患者に対し、救命救急室(ER)のスタッフと連動して迅速な緊急治療を施しています。
〇西神戸医療センター
〒651-2273 兵庫県神戸市西区糀台5丁目7-1 電話:078-997-2200
西神中央駅すぐにある、大きな総合病院です。
無輸血手術の要望を聞いてくださるそうです。
〇医療法人藤井会石切生喜病院
〒579-8026 大阪府東大阪市弥生町18-28 TEL:072-988-3121
この病院では、無輸血による広汎性子宮全摘出術もたくさん手がけています。
〇稲毛病院
〒263-0043千葉市稲毛区小仲台6-21-3 tel 043-253-7211
この病院は、無輸血治療・無輸血手術の体制を整え、経験を積んできました。無輸血手術こそが究極の技術的目標と考えています。
増血剤・造血剤(エリスロポエチン製剤)・セルサルベージ(セルセーバー)の利用といった輸血以外の手段を状況に応じて併用しています
〇医療法人和光会 光病院
〒375-0023 群馬県藤岡市本郷1045TEL:0274-24-1234
無輸血治療を実施しています。
緊急を要する脳いっ血からの片麻痺なども内科的に治療しながら高気圧酸素治療も受けられます。
〇医療法人社団 樺島会 樺島病院
〒168-0065東京都杉並区浜田山4丁目1-8電話:03-3311-1195
平成20年1月~12月の手術件数の中で、セルセーバー等を使用し、無輸血で手術をした件数66件だということです。また、エリスロポエチンを使用しています。
他にも、無輸血手術を行う病院はあるとは思いますが、とりあえず、ネット上で見つけた病院を紹介しました。輸血を避ける方法はたくさんあります。そして、輸血を避ける手術は、血を流さないように細心の注意を払った丁寧な手術になります。
そのような手術ができるということは、その病院の持つ優れた技術を証明しています。
そのような優れた技術を細心の注意を払って施してくださる病院側の努力には感謝したいと思います。