ルカ12章・大いなるバビロンは世界中の諸宗教を表わすか
「自分の主人の意向を理解していながら・・・その意向にそって事を行なわなかったその奴隷は何度も打ちたたかれるのです。しかし、理解していなかったために打たれるべきことをした者は、少なく打たれます。」(ルカ12：47，48)
啓示の書の大いなるバビロンとは何でしょうか。それは世界中の多くの宗教のことでしょうか。それとも、ひとつの政治国家なのでしょうか。もういちど考えてみましょう。
世界の主な宗教の中には、キリスト教、イスラム教、ヒンズー教、仏教、神道、ユダヤ教、モルモン教などがあります。
ところでエホバ神は裁きの際に、どのような原則で行動されるでしょうか。イエスはこう言われました。「理解していなかったために打たれるべきことをした者は、少なく打たれます。」(ルカ12：47，48)
主人の意向を理解していながら、その意向にそって事を行なわなかった奴隷はより厳しく罰せられると述べられています。ですから、聖書を持っており、聖書の神のご意志についてより一層理解している筈の者たちが神のご意志に逆らった場合、より厳しく罰せられるはずです。反対に、聖書を理解していなかった者は、少なく打たれるのですから、聖書を知っていた者たちとは違った扱いを受けるはずです。
ですから、もし仮に、大いなるバビロンがキリスト教以外の聖書に信仰を持たない宗教の人々も含む世界中のすべての諸宗教と考えてみましょう。聖書について信仰を持っていなかったり、聖書について知らないそれらの人々を同じように皆完全に滅ぼすのは、聖書に明示されたエホバ神の裁きの方法と調和しないのではないでしょうか。
イスラム教徒、ヒンズー教徒、仏教徒、神道信者は、聖書を持たず、聖書の神のご意志を知らないのですから、理解していなかったために打たれるべきことをします。その場合、エホバ神の扱いが違うと考えるのが道理にかなっているでしょう。
イスラム教徒はエホバ神ではなくアラーを崇拝しており、イスラム教徒、ユダヤ教徒は聖書の一部分を受け入れてはいても、全部は知りません。ですから当然エホバ神の扱いはキリスト教信者と異なるでしょう。大いなるバビロンはイスラム教、仏教、ヒンズー教、神道、ユダヤ教のようなキリスト教以外の宗教組織を表わしているわけではないでしょう。
啓示の書には、緋色の野獣は大娼婦を憎み、荒れ廃れさせ、火で焼き尽くすと預言されています。(啓示17:16)大娼婦はそのような厳しい裁きに対して当然な道義的責任を持っていなければなりません。キリスト教の国家であれば、神のご意志に反する行いをした場合、神の御名が諸国家によって冒とくされる結果になるのですから、そのような厳しい裁きを受けたとしても、当然だということになります。大いなるバビロンはキリスト教の国家であると考えるのが妥当でしょう。