ロスチャージ事件 本部社員Fへの反対尋問(5) | ファイティング リティ Ver.4.0

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セブン-イレブン・ジャパンの不正会計事件。最高裁判決(2008年7月4日)後の差戻し高裁判決(2009年8月25日)では、まだまだ解決できません。これからも闘いが続きます。

平成18年11月24日午前10時30分~

      赤字: 原告代理人中村の発言

      黒字: 証人本部社員Fの発言

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甲第55号証 (新聞記事)の1を示す


原価が70円で売価100円のもので10個仕入れたときを考えてください。売上原価が70円,10個仕入れて700円。売上高,7個しか売れなかったときに3つ廃棄になりましたという場合です。①の場合,通常の普通の小売店の人であれば,700で仕入れて700しか売れないんだから,700引く700は0だと,荒利も0だというふうに考えるほうが一般的だと思うんですけども,一般的かどうかという点について証人のご見解はどうですか。


一般的かどうかですか,すみません,ちょっとこの場で今これを見せられてすぐにどうかと言われても,私にはちょっと分かりません。


こういう数字を出さなくて,オーナー予定者が本当に理解できるんでしょうか。


フリップⅠ,フリップⅡというのは,やはり加盟候補者にセブン-イレブンの仕組みを分かってもらうためにやっているものです。その中で,やはりオーナーさんに対して,より不明点,もしくは分からないところというのはその都度説明させていただきますので,その流れの中ですべて説明させていただいているものですから,それで理解をいただけてるというふうに認識してます。


乙第9号証の1(フランチャイズ・ストーリー)を示す


33ページ,オーナーの収入というページですけど,上の黒丸,売上高から売上原価を引いて,売上総利益であると。先程の言葉とは違いますよね。


はい。


この記載は正しいんですか。


これはこのまま書いてあるとおりです。


この売上原価は,我々言うところの税務関係の売上原価というふうに理解しても矛盾はしないように読めるんですが,証人のご理解はどうですか。


このページだけをとってしまえばそういうところで理解できるかもしれませんが,我々はフリップチャートⅠというのをやはり流れで説明させてもらってますから,1ページ目から最終ページまで,候補者に分かりやすいように説明させていただいております。


流れで説明するなら,なぜ一貫させないんですか。


これはページの問題もありますが,その流れをきちっと理解いただくことに一番分かりやすい話ということで作られておりますので,それについては特に,なぜ一緒で統一されてないかどうかということは,私にはちょっと分かりません。


乙9の1には,契約条項で書かれた文言は,正確には出てきてませんよね。売上総利益の定義の話というのは。


はい。出てません。


これはなぜですか。


こちらについても私にはちょっと分かりません。


いろいろな用語が出てきて,簿記会計の知識もないというオーナーが本当に正確に理解できるんですか。


ですから,先程とまた同じ話になっちゃいますけど,フリップチャートⅠ,Ⅱというのは加盟候補者に対して理解いただく,本当に大切な説明の紙芝居になりますので,その中で本当にオーナーさんに対して,今の我々の考え方である純売上原価を使うというところも含めて,すべて分かりやすいように,言葉をかみくだいて説明させていただいているつもりでありますので。


そもそもロス原価を売上原価から引くのはなぜなんですか。


常に我々の考え方,やはりフランチャイズでやっておりますので,売れた商品のみをあくまでも原価として採用するという方式をとっておりますので,やはりロスであるとか,廃棄ロス,それと棚卸ロス,品減りというのは,やはりこれ,経営者の能力にある程度起因する部分もありますので,我々としては平等という観点からも,やはり売れた商品のみを原価としているということでやらせていただいてます。


平等という意味が,売上原価を言うということの平等とはとれませんか。


それはちょっと分かりません。


平等とあなたはおっしゃったんじゃないの。


それは経営の意味での平等。


売上原価の意味でも平等は保てるんじゃないですか。


それはちょっと私には分からないです。


不良品とか棚減り,品減りを営業費に計上するという問題がありましたよね。


はい。


その場合の営業費とは何ぞやということについて,本当にオーナーは正確に理解しているんですかね。営業費に計上することが,売上原価のロスの控除の問題と直結する問題であると。


それはフリップチャートⅠ,フリップチャートⅡの流れの中で説明させていただいてますから,ここはもう理解いただいてるというふうに思います。


いわゆる営業費という言い方で,簿記会計上,正確な損益計算書上の項目ということじゃなくて,もう少し広い意味で営業費と使うこともあるんじゃないですか。


いや,すみません,私はセブン-イレブンの仕組みの説明をする中で,一般的であるとか世間一般云々という話はいつもしておりませんので,あくまでもフリップチャートⅠ,Ⅱ,この流れの中でセブン-イレブンの仕組みというものを理解いただくということでやっております。


世間一般の仕組みを知らずに,セブン-イレブンだけの仕組みだけを理解するということがあり得るんですか。


それを理解いただくためのフリップチャートⅠでありフリップチャートⅡでございますので,それをやはり流れでひととおり聞いていただいて,セブン-イレブンというものはこういう考え方でこういう商売をするチェーンなんだというのを理解いただいて加盟いただいてますから。


あなたの考えで結構なんですけども,商品を仕入代全額を営業費に計上するということは,一般会計上,あり得ることですか。


いや,分かりません。


甲第16号証(「デイリーヤマザキ」フランチャイズ契約書)を示す


よそのチェーンの話で申し訳ないですけど,21ページ,付属明細書,これこれ認められる営業費等は次の項目とする。このチェーンは(2)という,商品仕入代,全額上げてますよね。


はい。


こういうあり方もあるんじゃないですか。


いや,私はちょっと他チェーンさん含めて,セブン-イレブンの仕組みということで勉強して説明してますので,それはどうかは分かりません。


営業費の説明をしたことが,売上原価の何を控除されるかという説明には直結しないんじゃないですか。


ちょっとすみません,よく理解できなかったんで,もう1度お願いできますか。