【世界最先端の経営学】を通した思考の整理①|「思考の軸」としての科学 | 【東京・吉祥寺】“しなやかに強く” 生きていく(#マルチポテンシャライト #アドラー心理学 #HSP)|たかのかた

【東京・吉祥寺】“しなやかに強く” 生きていく(#マルチポテンシャライト #アドラー心理学 #HSP)|たかのかた

「アドラー心理学」を軸に、誰もが自分らしさを取り戻し、また特に僕自身がそうでもあることから、HSP(人一倍敏感な人)の方が、自分自身の肯定的な言葉からセルフイメージを育てていき、“しなやかに強く” 生きていくためのお手伝いをしています。

こんばんは。山田 鷹です。


今回は、前回の記事の最後に紹介した、

ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学/日経BP社

¥1,944
Amazon.co.jp

こちらの本を通した思考の整理の、第一回目です。




なお、この本を読もうと思ったきっかけである、


「TBSラジオ 荻上チキ・Session-22」での

著者の入山氏がゲスト出演されているコーナーはこちらです。


(是非リンク先へ飛び、ポッドキャストを聴いてみてください。
それだけでもかなりの示唆を受けられると思います。)




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まず簡単にこの本で得られる内容をまとめてみると、


◯ 経営学は近年、「国際標準化」「科学化」している

◯ 経営学における「トリレンマの関係
 (= 3つすべてを成立させることはできない状態)」の存在
 ー「厳密である」「知的に新しい」「役に立つ」
 ー「集積(Agglomeration)」「適応(Adaptation)」
  「裁定(Arbitrage)」(=AAA分析)

◯ 経営戦略は「競争戦略(事業戦略)」と「企業戦略」に
  大別できる

◯ 業界構造の安定度合いにより、「三つの競争の型」に
 分けることができ、それぞれの型ごとに適用できる
  経営理論が違う
 ーIO(Industrial Organization、産業組織)型・
  チェンバレン型・シュンペーター型
 ーリアル・オプション戦略・RBV戦略・SCP戦略

◯ 「創造性(クリエイティビティ)」と
  「イノベーション」の違い

◯ 「組織学習」という分野があり、
  その最も重要な基本原理の一つに「サーチ行動」がある

◯ 世界は「グローバルに」も「狭く」も「フラットに」も
 なっていなくて、「スパイキーな国際化」をしている

◯ 「ダイバーシティ(=人の多様性)」には、それぞれが
  組織パフォーマンスに異なる影響を与える、
「タスク型の人材多様性」と「デモグラフィー型の人材多様性」
  の二種類があるよう

など・・・



他にもまだまだありますが、


僕自身初めて知ることが多くあり


大変勉強になりましたヾ( ´ー`)



みなさんも興味を惹かれるワードがあれば、

ぜひこれを機に触れてみてはいかがにひひ



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様々な情報が提示されている一方で、


個人的に印象に強く残った


著者である入山氏の明快な主張がありました。

 経営学は何を提供できるかというと、それは(1)理論研究から導かれた「真理に近いかもしれない経営法則」と、(2)実証分析などを通じて、その法則が一般に多くの企業・組織・人に当てはまりやすい法則かどうかの検証結果、この二つだけです。
 そして、この二つを自身の思考の軸・ベンチマークとして使うことが、経営学の「使い方」だと私は考えています。

加えてこんな表現もされており、

非常にわかりやすかったので、少し長いですが引用します。

 経営学はあくまで「思考の軸」として使われるべきだと私は思っています。あるいは羅針盤といってもいいでしょう。
 航海に出るとき、羅針盤は方角を示すだけで、「どうすれば一番早く安全に目的地に着けるか」は決して教えてくれません。航海ごとに、風向きも、風の強さも、潮の動きも、天候も違うからです。会社ごとに事業環境が異なるのと同じです。
 では航海に羅針盤は不要かというと、もちろんその逆です。羅針盤があるからこそ、それが航海ルートを決めるための軸となり、その上で風を読み、潮の動きを読み、天候を読むことで、経営に最善と思われる方向を見つけ出すことを手助けしてくれるのです。
 羅針盤があっても航海にリスクは伴うように、経営学があるからビジネスがすぐうまくいくわけではありません。しかし、ビジネス思考に軸があれば、みなさんの考えに一本筋が通り、より深く考察が進むに違いありません。みなさんには、ビジネスを考えて、考えて、考え抜くための軸・羅針盤として、経営学を使っていただければと思います。

さらには、「おわりに」でもこのように述べています。
(ちょっとしつこい??笑 でも大事なのでご容赦くださいませ)

 本書で書いてあることを「これが絶対に正しい」と思わないでいただきたいことです。第2章で述べたように、それでは「正解を求める」姿勢になってしまいます。あくまで、皆さんがビジネスをこれから考えていく上での「思考の軸」として使っていただければ、と思います。
 実際、この世はまだわからないことで満ちあふれています。結果として、研究とは、先に進めば進むほど、「これが正解だ」となかなか言えなくなるものです(少なくとも私はそう思います)。「勉強」は進めば進むほど正解が分かってきますが、「研究」は全く逆なのです。
 実際、最前線で真剣に研究している研究者ほど、「これが正解だ」と言うことには慎重なものだと私は思います。テレビに出演した学者が、司会者から「結局、何が正しいんですか!」「分かりにくいから、一言で正解を言って!」などと詰め寄られて口ごもることがありますが、そもそもその人は真摯に研究しているからこそ、「絶対にこれが正しい」とは言えないのでしょう(これは私自身、最近メディアでどうしても「はっきり」言うことを求められるので、自戒することでもあります)。


あくまでも「思考の軸」や「羅針盤」としての活用を期待し、


「答え・正解」を期待しての活用を憂い、


またそのような(ある意味での)誤用による落胆の声を
残念に思われているようですしょぼん





このように


「思考の軸」


という表現をされている場面が度々登場しており、


僕としてもまたこの意見に大いに賛同します。




というのも、この


「正解を求めるのではなく、
あくまでも思考の軸として活用する」


というスタンスを意識することは、


経営学に限らず、


(程度に多少の差はあれども)
科学を日常的に扱う者にとっては、


非常に重要な点だと思うからです。







これは言い換えると、


「情報の受け取り方」


と言ってもいいかもしれません。



氾濫する情報と、

日々接して生きていかなくてはならない僕たちにとって、



その「受け取り方」は加速度的に重要になっていて、



間違いなく、現代に生きる僕たちに



最も必要な力・スキルの一つとなっていますよね。


(「情報の受け取り方」について考える時にオススメの本もあります。
でも今ここでそれを放り込んでしまうと、何が何だかわからなくなってしまうので
それはまたの機会に譲りたいと思います。)







次回


この本の根底にある大きな流れでもある


「部分」と「全体」


という構図を参考に、


この「情報の受け取り方」について

いま一度考えてみようと思います。



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本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。