大阪では、大阪都構想なるあやしげな構想が持ち上がっているらしい。
現場の状況は、よくわからないが元区役所職員からすると疑問な点がたくさんある。
行政法を勉強したり、「都構想」・「特別区」について、興味を持って勉強してないとわかりづらい点、勘違いしてしまうことが多々あります。
大阪市をいくつかの特別区に分けて身近な行政を行なうようなことが言われていますが、全く逆です。
東京の特別区は、日本の中心の東京の都心を含む地域にあり、イメージはいいかもしれません。
電話番号の「市外局番の03がいい」なんてことも聞きます。
しかし、実際は特別区は、市町村以下の半人前の自治体です。
長年の努力で区長の公選や、清掃事業を区に移管させましたが、ふつうなら、市町村が行う消防、水道・下水道などは、いまだに区が行なわず、都が行なっています。
身近な行政事務が、地域の行政である区はなく、都が行なっているのです。
大阪市もいくつかの特別区になれば、身近な行政事務の一部は、区でなく府が行なうことになります。
これに対しては、大阪の特別区には、東京の特別区以上の権限を与えるということですが。。。
それに引き替え、大阪市は政令指定都市です。
ふつうの市町村以上の権限と財源が府から移管されています。
なので、市長自らが、政令指定都市から特別区に変更を求めるというのは、おかしな話です。
なお、特別区は、「都の区」と規定されていた条文があった(現在は法改正でなくなった)のと、「東の東京都と西の大阪都」と、東京都と同格になったイメージ戦略のためか、「都」構想と言ってきていますが、都は首都の都であって、大阪市がいくつかの特別区に衣替えして、大阪府に権限を渡したところで、大阪は首都になるわけでないので、府は府のままのはずです。
この点は、引退した元都知事の石原氏も指摘していたところです。
※ いったん試しに都構想に乗って、ダメなら戻せばいいというのはリスクが高すぎます。
東京23区は市に昇格する構想がずいぶん昔からありますが、実現していませんし、区長の公選や清掃事業の移管だけでも、膨大な時間・労力などがかかりました。
また、いったん特別区にして市に戻す二度手間にかかる費用は、府民・市民の税金であるということも考慮しなければなりません。
以上は、あくまで元区役所の職員としての疑問に絞って、ブログ記事にした次第です。
他にも論点は多々あると思いますが、都構想に賛成するにしても反対するにしても、上記の点は、知っておいていただきたいと思います。
【確認】 特別区は市町村以下、イメージ戦略に惑わされてはいけない。