【マフィア企画】本音は絶対に語らない、語れない。そうするしかできないんだ、私は。【夏電戦】 | あたしの海にさよならを

あたしの海にさよならを

あなたはあたしのすべてだったの。 だからさようなら。 さよなら、あたしの海。



まず最初の赤点ポイントに到着するや否や、ウロボロスは慌ててバイクから飛び降り駆け出した。

「Damned!おい!起きろこの馬鹿!」

悪態と怒号を吐き、倒れていたそれの生存確認をする。幸い寝ているだけのようだ。それを知り安心したのか、ウロボロスは大きくため息をつく。オットマールはその姿を見、いつもとは違った表情のそれに少々驚きを隠せなかったのだろう、暫くその場から動けずにいた。




    ――それはきっと、怯えた蛇の




目が覚めるとウロボロスが横に座り煙草を吸っていた。KOOLのブーストとか言ったか、煙草独特の纏わりつく臭いが鼻を掠める。おはよー、と、いつもの間延びした英語で話しかけられる。身体を起こすが倦怠感が取れない。先程の青髪にやられたのだろうか。記憶が若干曖昧だ。ぼうっとしているのに気付いたのだろう、ベネディクトの身体の各部位を触診しながらウロボロスが答える。

「睡眠薬でも嗅がされたんじゃないかなぁー。GHBみたいなのとかかなー?いや、もちょっと効力は薄いやつかな?まぁどうでもいいけど、いずれにしろハスキー君なら効き易そうだもんねぇ。ふぅん、あっさりやられちゃったんだぁ?あーあ、殲滅部隊の副長なのにねぇ?情けないねぇー?」

明らかに体格の違う男に喧嘩をふっかけつつも、外傷はないみたい、と、本職としてひとこと情報を付け足す。その会話によって徐々に記憶が呼び起こされる。そうだ、あの青髪に何かを嗅がされたことは覚えているのだ。徐々に頭が覚醒し、敵に逃げられたという事実にようやく直面した。慌てて周囲を見回すも、誰もいない。当然である、青髪――デルシオネというのだが、彼が逃げてから確実に十分以上は経過しているのだ。そして横に近接戦闘に不向きな男:ウロボロスがいる時点で既に敵は逃げ切ったと考えるべきである。まだうまく頭が回っていないらしい。

「で、どんな奴にやられちゃったのー?誰にも言わないからー、ちょっと聞きたいなぁー。もしRCのインノチェンティ・ジュニアみたいな近接戦向きにやられちゃったとかなら凄い汚点だけどねぇー?」

くつくつと人をからかって遊ぶようにウロボロスが話しかける。インノチェンティ・ジュニア、ハイドが現在密偵として送られている先の上司、ダビデ=O=インノチェンティの事である。彼は若干25歳という若さでRC幹部に上り詰めた、いわば組織の顔であり、ボス・サウル=B=インノチェンティのスケエプゴートの役も担っていたため、名はとても広く知れ渡っている。だがベネディクト自身はその容姿を知らなかった。ただ今回戦った敵は「それ」ではない事くらいはベネディクトも解ってはいた。身のこなし、捌き方が接近戦を得意とする人間のそれではなかったためである。眉間に皺を寄せ、当時の記憶を思い返す。

「とりあえず容姿は思い出してよぉー、特定して後でネチネチやろうよー」

それはそれは楽しげに言うものだからその骨のような顔面を思い切りぶん殴ってやりたくなったがなんとか堪え、銀色の鞄から携帯端末を取り出したウロボロスを睨みつけるだけに留めた。こわァいと腹立たしい言い方で適当にはぐらかしつつもノートパソコン大の携帯端末を弄り、何かを入力し始めるウロボロスを横目で見やる。この男はいつだってにやにやとしている。いつも思うがその笑顔が解ける事はないのだろうか。そんな事を考えていると、いきなりその蛇はOKと大声で叫んだ。

「さぁ!特定しようぜSonnie!」

Sonnieと言われる程歳も離れていないのだが今そこでそれに突っ込んでしまうと本当に面倒臭いので黙り込む。端末に浮かんでいるのは人物検索データベースのようなものだろう、外見特徴を入力すればある程度のことは把握できるシステムである。そしてその端末上に浮かび上がった文字の羅列はこのひょろ長い蛇が開発したインターフェイスであるのだが、これというのが物凄く解り難い。ここまでする必要があるのか、と思いつつも、この楽しそうな蛇の手前面倒臭いとも言えない。仕方ないので、青髪、と外見の特徴を述べようとした瞬間、え、あ、ああ、と、ウロボロスが一気に萎み、端末の電源を落とした。急に何が起こったのかと驚いていると、

「青髪とか…ああ…なんだぁ…つまんなぁーい。それデルシオネ。ほぼ間違いなくデルシオネ。Re dei Caniの情報統括。そのくらいは僕でも知ってた。」

あっさりと答えられてしまったその事実に拍子抜けしてしまった。そして、また浮上するRe dei Caniという組織。嫌と言う程聞いたその名前は、最早標的としてインプットされてしまったも同然である。くつくつとウロボロスが笑い、ひたすらにベネディクトに嫌味を吐き続ける。

「そっかぁー、近接戦専門でない奴に負けちゃったのかぁー。じゃあしょうがないねぇー。すぐに仕留められたら違ったんだろうけどねえー。そしてまんまと逃げられちゃったんだぁ、あんなひょろっこいのに?」

苛立ち。もうこいつ殴ってしまった方が良いのではないかという感覚。ウロボロスもそれを察知したのだろう、こわーいとからかうように言い捨てた。そして立ち上がり、いつものおどけた口調で、にやりとした蛇の笑顔で言い捨てる。

「もし、僕がそれと遭う事になったら、貰ってもいいよねぇ?」

目だけは、笑っていなかった。

「…好きにしろ」

まるでYESを強要されるかのように、空気だけが凍っていた。

「やァりぃ!まぁそれにー、僕の場合個人情報残すなんてヘマはしてないから、僕の所属とか知らないんじゃないかなぁ?少なくとも【かかりつけのお医者さん】程度にしか残ってないだろうしぃー。」

これでも元テロリストだよー、個人情報隠蔽と捏造はお手の物だよぉー、と、ぺらぺらへらへらと饒舌に喋り出す。これが盗聴されてでもいたらどうするつもりだ、と思ったが、この蛇がそんな初歩的なミスをする筈がない。おおよそ盗聴/盗撮発見機材の使用だとか、妨害電波を出しているだとか…、そういうのでなんとかしているのだろう。そういう無駄に用心深いのがこの蛇の性質なのだと、その犬は知っていた。スラックスについた塵を軽く手で払い、頭がしゃっきり働くまで暫くゆっくり休んでなさいとベネディクトに告げ、ウロボロスはその場を去ろうとした。が、ふと思い出したのか、くるりとベネディクトのほうを振り返る。

「悪いんだけどさぁー、さっき教えた診療所、あそこの機材が実はあまり揃ってる方ではないんだよねぇ。だからなるだけ大怪我して帰ってこないでよー、【ベネディクト】。」
「…解った」

そうして、ぶろろ、という轟音とともに、その蛇と運搬者はその場をあとにした。

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「珍しいな」

公道のど真ん中を颯爽と走り抜けるバイクの轟音に周囲の音の一切が掻き消されている中、オットマールが急に話を切り出したものだから、ウロボロスは何の話か全く解らずに間抜けな声で聞き返してしまった。

「いや、ハスキーの所に駆け寄ってた時、お前珍しく笑わなかっただろう」

そこまで言われて漸く、ああそれか、と理解した。彼とのつきあいはそう長い方ではない。初期からいたベネディクトやジキルといった面々はまだ自分の医者への執着を知っているのだろうが、と思ってはみたが果たして彼等も知っているのだろうか。どちらにしろ「それを口に出した事は人生で一度もなかった」。

「……僕はね、医者でなくてはならないのさ。そうでないと僕は僕でなくなってしまうんだよ。僕を定義づけるものの大きなひとつが、蛇であること、だからね。」

淡々と、いつものくだらない程に調子に乗った声色ではなく、しずかに、しずかに言い放つ。その最初で最後の独白は耳を塞ぎたくなる程の轟音に掻き消されて、質問者の耳に届く事はなかった。聞き返すオットマールにウロボロスはいつもの調子で返事を返した。

「何言ってるかさっぱり聞こえなぁーい!それよりオットくーん、次のアクティヴの所につれてってくれるー?多分それが隊長だと思うんだけどー!セールイちゃんかもだけどさぁー!」

そして男二人、むさ苦しい事この上ないバイク旅行は次のポイントへと驀進していくのであった。


    【それはきっと、怯えた蛇のひとつの我侭】



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…えーっと…ハスキーさん助けに行こうとしたらいつのまにか寝ちゃってたのでとりあえず生存確認だけ…wwwwwああそれと、大怪我すんなよ!絶対すんなよ!っていうお笑い風のフリをですn←←←←←
あとちょっとだけデル君に喧嘩売ってますねサーセンwwwwエンカしてもいいのよ!適当に大嘘並べてトラップ仕掛けたいなあとか思ってないんだからねっ///←←←←←←
あ、ただし、DDは医者の執念により「DDの目の前では」攻撃することができません。目の前に怪我人いたら助けたくなっちゃうので。敵味方関係なく。なので殆ど銃撃とかはしてきませんっていう☆できても遠くから爆弾投げて、その現場を見ないようにするかんじですかn←←←←←←←


補足としまして、うろたんは自分に関するデータ【だけ】はすべからく抹消していってます。かたっぱしから。それはもう些細なことまで。ただ、自分に関わることだけなので、他の人のは手を付けてません!^q^なんて自己中!!!←←←←←←←←
流石に紙媒体は厳しいですが、もしハッキングされても元戸籍の情報のほうは既に死亡通知がいっているし、デボイアなんて人間自体存在しませんし、それ以前に使った名前やデータは消去済みです。基本キャッシュでのお支払いなのでカードとかないです。もし個人情報を使うとしても盗品とか完璧な偽装とかでs^q^
裏方万能系テロリストなめんなよ!!!みたいn←←←←←←←←←←


…あとさァ…もうなんていうの、この国語力の壊滅っぷり!この馬鹿なんとかしてくださいえろいひと!!!←←←←←←

さ、さーせんした…wwwwwww