ここ数日、新卒切りという言葉が目に入るようになってきました。
なんでも、内定切りはマズいから採用してしばらくしてから切るのだとかなんとか。


どの程度信憑性のある話なのかわからないけど、まだまだ景気悪いからなあ…
もし本当ならひどい話ですよね。


そもそも、日本の会社は不思議なくらい「新卒」というものを好みます。
(新卒あるいは卒業予定者の方、ごめんなさいね。たぶんちょっと目障り)
なんでかなあとTwitterでつぶやいてみたところ、「俺色に染めたいんでしょ(=処女信仰)」「賃金安いくらいしか取り柄ないんじゃ」との意見が寄せられました。なるほど、もっともな話です。


んで、この新卒切りというのも、新卒偏重主義のなれのはてなのかなあ、と。
新卒は一回しかないから価値がある、という前提だと、内定切りは厳しく非難されてしまうし、だから国からもダメ出しがあったし、かといって急激な経済の悪化には対応しきれなかったし…と。
内定切りから学生が保護された結果、結局は職を失い、新卒という「ジョーカー」も失った…とすれば、最悪の話じゃないですか。
他の会社が新卒偏重主義でなければまだ救いがありますけどね。

そもそも、上場企業ですらあっさりつぶれるこのご時勢で、本人の意向と関係なく転職せざるをえない状況も決して少なくないわけで。
少子化もありますし、新卒ばっかりだと社員が取れなくなっていくんじゃないかなあ…
経済成長が止まっているので昇給のチャンスも少なく、そうなると、若い人が給料を上げようとすると転職するしかないですよね。という理屈は何かの本で読んだ。

新卒に価値があるという価値観は、転職市場を見れば明らかですね。第二新卒ってなんぞと思っていたら、第三新卒まであるそうで。建物だったら第二新築とか言えませんがね。ああでも築浅とはいうか。
普通の市場であれば、このへんで「新卒」という言葉のありがたみが薄れてしまうところですが、転職市場はまだまだいけるんでしょうかね。


まあ自分がこんな風に考えるのも、自分自身が中途採用だからというのもあるんですが。タイミング的にはいわゆる第二新卒なんですけど。
役員にはなりましたけど、そもそもがスタッフ職ということもあって、いまだに社内からは強烈なバイアスがかかっています。
まだ創業から四半世紀も経っていない会社ですが、いわゆる「村社会」がしっかりと形成されています。このへんは興味深い現象です。
転職というものが比較的好意的に受け取られる我々の業界でも…です。



新卒偏重も終身雇用も、バブル前…高度経済成長期の経営戦略だと思うのですよね。もちろん男性偏重も。
戦略を考える時には内部環境(社内のこと)の他に外部環境(社会とか政治とか)も考えなければいけないのですが、外部はそう簡単に変えられるものでもないので、内部の変え方を考えることになります。
生物も、環境の変化に対応できなかった種から滅びていきますね。


結局また何が言いたいのかイマイチまとまりきれませんが。
新卒というものを、みんなもうちょっと柔軟に考えればこんなことにはならなかったんじゃないかな…という話でした。





あともうひとつだけ言わせてくれ、処女はそんなにいいものじゃない。