うつ病が治った後の性格変化について (マインドアートの知恵袋)
うつ病が治った後、果たして性格は変わってしまうのだろうか?
そんなことを思う人は少なくないと思います。
私も経験がありますが、うつ病は本当に辛いもので、良くなることが考えられなくなります。
そこもうつ病の特徴ですが、治った後を想像することがとても困難です。
性格はどうなってしまうのか、失ってしまった人生を取り戻せるのだろうか?
人間関係はどう変化するのか?
仕事は? 復帰できるのか? 再就職は難しいのか? 結婚や恋愛は?
うつ病の最中はまったく読めません。
未来のことを考えただけでもネガティブなものしか想像できず、性格がどうなっていくのかなんてイメージがつきません。
実際にうつ病が治った筆者が、うつ病解決後に性格がどうなったのか書いていこうと思います。
苦しい自分ではどうにもならないうつ病を経験することで、考え方や価値観、感じ方が変わることは確かにあります。
しかし、これはうつ病が原因で性格が根本的に変わったわけではなく、経験を通じて得た新しい視点や感受性が影響していると考えられます。
たとえばうつ病の辛さを知らない人が、うつ病を経験したら、人の心の痛みがよくわかるようになりますし、闘病中の人の暖かさを知った人は、人に対して優しくなれるでしょう。
逆にストレスを強いてきた人間に出会ったことで、うつ病になってしまった人は、会社や他人に対して、お気楽な幻想は抱かなくなります。
ですが、元々の性格が大きく変わったり、人格が豹変するということはありません。
人生への価値観が変わっても、自分の性格はそのままです。
ですが、性格は変わらなくても、考え方や解釈は変わります。
認知の歪みが治っていくことでうつ病も改善に向かいますが、性格はベースとしてそのままでありながら、大きく考え方や物事への解釈が前向き(少なくとも後ろ向きではなくなる)になることで、生きることが楽になっていきました。
うつ病が治った後の性格は変わるのか?
私は本当の自分、素の自分、地の自分、アイデンティティというものがわかっていくことで、うつ病の苦しみから解放されていく体験をしましたが、それは本当の自分の性格に立ち返ることができたと言えます。
自分の本来の性格(感情や感覚や本能)を無視して、自分を見失いながらストレスフルで生きてしまうとうつ病になりやすいです。
それは自分の性格や性質を無視して頑張った末の苦しみですが、自分本来の性格を元に自分を大事にして生きることで、うつ病が改善に向かうわけなので、うつ病が治ったと性格が変わるという心配をする必要はありません。
多くの専門家や経験者の意見を元にすると、基本的な性格や人格は変わらないと言っています。
うつ病という経験を通して、人生の捉え方や考え方、価値観が変わることはあっても、元々の性格が変わることは少ないと考えられます。
もし性格が変わってしまった人がいるとしたら、こういう事かもしれません。
うつ病が治ったと思っても抗うつ薬の力で治ったと思わせていただけで、薬の悪影響で目に見える性格が変わったと思えるだけ(薬の副作用)なのかもしれません。
薬の副作用や影響について
うつ病の治療には、薬物療法が一般的です。
この薬物療法によって、治療中のうつ病の人の性格が変わったとよく口コミ情報で見受けられます。
たしかに抗うつ薬で性格が激変するという事例もたくさんあるようですし、私も薬を飲んで異様にハイになってしまったこともありました。
これは薬の副作用であって、性格変化ではないです。
その薬を飲まなくなったことで、元の性格に戻れました。
うつ病が治ったという定義は難しいものがあります。
抗うつ薬を飲んで社会生活を送ることができたら治ったというのか、寛解という言葉が適切なのか、抗うつ薬を飲まずにうつに苦しめられなくなった状態だけを「治った」と言っていいのか、解釈がわかれると思います。
うつ病の経験から得る新しい視点
うつ病を経験することで、新しい視点や視野、感受性を得られます。
さらにうつ病が治った状態に至ることで、さらに人生観や価値観が変わっていきます。
これは間違いありません。
これらの新しい視点は、日常生活や人間関係、仕事などのさまざまな場面での判断や行動に影響を与えることがあります。
うつ病を乗り越えた経験は、人生の中での新しいチャンスや可能性を見つける手助けとなりますし、自分自身が主体として生きなければいけないという思いが深まります。
他人軸ではない自分を中心とした生活。
ストレスを溜め込まず、発散する必要性。
いい意味で自分勝手な考え方、柔軟な思考の必要性。
人間関係でも視野の広さや、うまく行かせる方法の獲得。
理性だけを使って生きすぎない。自分の感覚を大切にする生き方。
何事も受け入れて生きるという覚悟。
人と比較しない、過去の自分とも比較しない。
こういうものが私は身につきましたが。それは考え方が大きく変わっただけであって、性格は変わっていません。
自分の性格を逆に受け入れられ、認められるようになりました。
それって、本当の自分の性格に立ち戻れたということです。
むしろ、それまでの私は自分の性格を無視して、完璧を求めて努力をしてストレスを感じすぎて潰れていったわけで、抑圧を溜めない生き方ができるようになってからは、うつ病も改善に向かっていきました。
もう一つの「うつ病」になった人の考え方 うつ病が治るとは?
一般的に「うつ病は本当には治らない」「うつ病はどうせ再発してしまう」という認識が広がっています。
ですがこれは「治る」ということを「元の状態に戻ること」と解釈しているための誤解です。
私が思うに、うつ病を経験してしまったら、完全に元の状態に戻ることはありません。
100%うつ病じゃなかったいい頃の状態に戻ろうとすると、ますます心がかき乱されてしまいます。
それは、常に前の状態と比較し、そうじゃない自分を責めたり、うまくいかない状況を呪ってしまうからです。
それでは、うつ状態を自分で引き寄せるだけになってしまいます。
過去のうつじゃない状態を比べる人は、人とすぐ比べてしまったり、昨日のうつがちょっとマシな自分と今日のうつがひどい自分と比べて、また落ち込んでしまいます。
比較して生きる人は、自分が最高な人間だったとしても、より最高の自分と比べてどうせ落ち込んでしまいます。
だから、比較して生きることをやめることは、うつ病を改善に向かわせるに当たってとても重要です。
話がそれてしまいましたが、人(過去)と比べてしまうというのは、性格ではなく、その人の思考の癖です。
うつ病改善は性格を変えるのではなく、考え方を変えることが大事なんです。
考え方は後天的に親から影響を受けたり、周囲との人間関係の中で作られていきます。
例えば、あーだこーだ兄弟や「あそこの◯◯ちゃんは…」と比較してしまう親に育てられてきた子供は、すぐ人と比べて落ち込んだり、優越感に浸ってしまいますよね。
それでは、自分の軸がなくなります。
努力して良い成果を上げていても自分の軸がないのだから、なにかあるとすぐ落ち込みやすくなります。
そういう考え方(認知の歪み)を治すことはとても大事ですが、それは性格を直すことではないですし、うつ病が治ったとしても性格が変わるということでもありません。
またまた話が逸れてしまいました。
真のうつ病が「治った」状態というのは、元に戻れたということではなく、大げさかもしれませんが「新しく生まれ変わった」と捉えるのがいいと思います。
多くのうつ病に陥る人は「自力」でなんとかしようとして潰れてしまった人が多いですが、そういう自分を変えていくだけでも生きやすさが違います。
元の自分に戻ったら、どこかで、何でも自分で背負い込んで抑圧を溜めて潰れていたということです。
うつ病が再発しないためには、新しい考え方、認知を手に入れるということですが、それは性格が変わるということでもありません。
うつ病が治ったら性格がどうなるのか心配してしまう人、うつ病克服後はどんな生活が待っているのか知りたい人は
「性格は変わらない、逆に本当の自分に戻れる。しかし過去に自分に戻るのではなく、新しい考え方で第二の生活が始まる」
ということが、うつ病を克服した私の結論です。
なお私はうつ病を無意識の奥底に強く働きかける方法で克服することができましたが、
無意識とか潜在意識を書き換えるというアプローチ方法でも、性格が変わるということはありませんでした。
やはり地の自分で生きられるようになる、ちゃんと地に足がついた生き方ができるようになるという意味では、自分の性格や性質を大事に生きられ、余計なストレスを抑圧しないですんでいます。
自分の持っている性格を素直に受け入れられ、自分を認められ、疲れないで生きられていますし、うつ病の再発はありません。
こちらに参考となる文章があります。
私にとり、大きな考え方の変化に繋がったものです。
自分のキャラで生きることは、ストレスを溜めない生き方、脳に優しい生き方に繋がります。
またうつ病に関しての言葉・知恵袋集はこちら↓
うつ病が治った方の体験談やお役立ちリンクを紹介
以上が、うつ病が治った後性格が変わるのか? の知恵袋でした。
執筆者:松田(だーまつ)