竃(かまど)のある家と「竃の会」 | " 木の住まい " に出会って、杉の家

竃(かまど)のある家と「竃の会」

小さな内部駅の改札を出ると、お迎えふたり。
お願いしていた大工Iさんと、
「近くを通ってきたんだけどねー。」と4時に家を出たという大工Kさん。
わが家付近を通る6時頃は、やっともぞもぞ起きたところですヨ。
高速道路から寄ってもらうには、ちょいと不便なわが家。

内部駅まで車でお迎えに来てもらうために会の進行に水をさしては申し訳ないと思い、
10時から始まる会に間に合うように頑張ったのだが、
結果的にこれは、私が竃を眺めるための時間確保となった。
私が竃に向かいあったのは、ちょっと遅れたみんなが揃うまでの時間だけだった。
途中からだったら、竃の後ろ姿しか見てなかったかもしれない。

火をつけられる前の、静かな竃。
いくつかのとあるブログ記事の写真から想像していたものより大きくてびっくり。
「ぶんぶく茶釜もあるよ~。」と娘を呼び寄せたのだが、
竃そのものにあまり関心を示してくれなくて、つまんない( ̄^ ̄*)
実体験があると、感動してくれるかな?
火付けを見せ、邪魔してOKならばさせてもらうべきだった。
(もう一回行かなくちゃ)

自宅を建てるために建築士の資格を取った会社員Nさんによるお話会の間も
台所では準備がすすめられ、午後にはずらりと並んだお料理と、人々。
募集の「20人くらい」をはるかに超えていたらしい。
ごちそうになっている間にも、竃ではまだ大工さんたちがご飯を炊き続けていて、
外では七輪等が活躍して、別のお料理が。
ほとんどが男性の手によるもので、どれも、おいしい。
いつもこんな感じなのかと思ったら、どうやらこの日は特別だったようだ。
人も、お料理も多い日だったらしい。
(男性の手によるってのはいつもどおり?)
久々に会った大工Nさんを始め、色々な方と家のお話をしたり、
お料理のお話をしたり、楽しく過ごさせていただいたのだが...

この日の報告を兼ねた竃の管理人さんブログ   によると、この会の始まりは、
竈を囲み竈で炊いた握り飯を楽しむ「かまどで飯炊こう」が目的であり、
おにぎりとみそ汁だけでも充分満足なんだけどな、という記事。

あ、そっか。忘れていた。そういえば、そんな話だった。

この日着ていった服を鼻にくっつけて息をしたら、煙の香りがしみついていて、
もくもくと煙につつまれていた竃とその周りで浮かんでいた顔を思い出した。
あれをずっと眺めてこそ竃の会だったのだな。
となると、お話会との同時開催は究極の選択だったなー...(お話会を選んじゃったワタシ)。

今回、心を打たれたのは、竃の家の管理人さん(予想に反して小柄で華奢で美人だった)の言葉。
「この家が今もこうして残って建っているのは、おばあちゃんだけが住んでいたから。」
管理人さんのご家族が一緒に住んでいたら、おそらく建て替えられていただろう、と。納得。
この家を守っていたおばあちゃんの写真がどこかにあったのかな?
(もう一回、探しに行かなくちゃ)

そして帰りは管理人さんの車で、内部線ではなくて名古屋線の塩浜駅まで。
なんと、前後のドアがタイムカプセルのように開く車。
タイムトンネルを走って、内部線経由で竃がある家へ。
タイムカプセルに乗って、竃がある家から現在へ。

まさしく、時間旅行だったのかも。