今日は、授業中で10数回も話題になった「回民族」の話です。

日本人は「回教」という言葉を聞いたことがあります。
それはイスラム教の俗称です。
そこから、多くの人はイスラム教を信仰する中国人が「回民族」と思います。
じつは、ウィグル族などの少数民族もイスラム教を信仰し、彼は回民族とはべつなのです。


回民族は、7世紀以来、中国に定住したアラブ人・ペルシャ人の子孫です。
もちろん、漢民族との混血がほとんどと考えられます。

一部は、アラブ商人が海を支配していた時代に、南中国の広州、泉州にやってきたのです。
一部は、シルクロードを経由して北中国の長安(いまの西安)、開封にやってきたのです。



ちなみに、清王朝が崩壊した時、国民党政府(中華民国)が「漢満蒙回蔵」という「五族共和」の建国理念を掲げました。
満は満州族、蒙はモンゴル族、蔵はチベット族を指します。(彼らは仏教の密宗を信仰する)
当時、回はウィグル族などを指していました。
つまり、漢民族からすれば、イスラム系は回族だという考えです。

後になって、国民国家が少数民族の定義をはっきりさせて、
以上のアラブ人・ペルシャ人の子孫だけが「回民族」となりました。