【杜の都の今季最終(二度目) ~桃色行脚'16~】 | 監督のささやき戦術

 つい最近「今季最終」と言ったその舌の根の乾かぬ内に、「今季最終」のやり直しをしてきた月曜日のスライド休場日の話をさせて頂く。

 

 

 東京駅から飛び乗ったのは北へ向かう新幹線。とくれば、目的地はただひとつ。

 「今季最終」のつもりだった前回遠征からたったの中7日。その際の「勝利のエクスタシー」が忘れられずに…、というドツボにはまるギャンブラーのような動機に衝き動かされて来てしまった、今季六度目のご贔屓イーグルス本拠地、楽天Koboスタジアム宮城

 

 ちなみにこの日の仙台地方の天気予報は曇りのち雨。18時からの降水確率80%という明らかに開催が危ぶまれる状況であったが、「イーグルスファンになって以来12シーズン、一度も仙台で雨天中止の憂き目を見ていない(中止にならない程度の雨なら数え切れぬほどある)」という超個人的かつ心許ないジンクスのみを頼りに、ハイリスクな賭けに出たのであった。

 

 

 この日のカードはVSバファローズ21回戦。プレイボール時点ではまだ雨は落ちてきておらず、「仙台くんだりまで行って球場内にすら入れず」という悲劇はとりあえず免れる。

 スタメンはこちら。

 

 

 イーグルスの先発は、美馬投手

 登板試合の観戦は今季初であった。

 

 

 バファローズの先発は、この試合がプロ初先発となったドラ9ルーキー赤間謙投手

 福島出身で高校は山形、そして仙台でプロ初先発と「みちのくだらけ」の投手である。

 

 ちなみにこの赤間投手を含め、この試合で登板したバファローズの3投手は、いずれも「初物」であった。

 

 二番手でマウンドに上がったのは、齋藤綱記投手

 高卒2年目の若き左腕は、この試合がプロ初登板であった。

 

 三番手のマウンドには、久々にお目にかかる投手が。

 バファローズの今春のキャンプ中のテストに合格し、育成選手として入団。その後6月下旬に晴れて支配下登録を勝ち取った元ベイスターズの大田阿斗里投手は、この日のマウンドがバファローズ初登板となった。

 

 割としょっちゅう「プロ初○○」を献上しがちなイーグルスであるが、この試合では色々フレッシュな3投手に犬鷲打線が猛然と襲い掛かったのだった。

 

 

 すっかりチームに馴染んだ感が出てきた、ペゲーロ選手

 8号ホームランを含む2安打2打点の活躍。

 

 最近打撃好調の5番打者。

 生え抜き初の二ケタ本塁打に王手をかける9号ホームランを含む、3安打猛打賞の活躍を見せた島内選手

 

 この試合の主役は、ピカピカの1年生の彼。

 センターとライトに2本のホームランをかっ飛ばして猛打賞の大活躍を見せた、茂木栄五郎選手

 

 この3選手の4本のホームランを筆頭に、打線爆発の15安打11得点でバファローズの3投手を粉砕。今季ここまで辛抱強く観戦し続けてきたしょっぱい敗戦で貯めた運気を、ここにきて一気に吐き出すかのような素晴らしい展開であった。

 

 

 そんなイーグルスファン的にはひたすら気勢が上がる試合の中で、ひとつ心配な出来事が…

 ファウルボールを腕に受けた嶋選手。その痛がり様は尋常ではなく、一旦ベンチ裏に下がって治療。

 

 嶋選手治療中の美馬投手のキャッチボール相手に出てきたのは、なぜか阿部選手

 なかなか危なっかしい捕球姿に、「これ以上怪我人増やさんといて…」とスタンドから冷や冷やしながら眺めていたが、無事に代役捕手を務めて引っ込む。

 

 治療を終えて一旦はゲームに戻ったものの、結局その次の回の守備から交代してしまった嶋選手。その症状が案じられたが、本日のホークス戦ではスタメンで出場していたので、恐らく大事には至らなかったのだろう。一安心である。

 

 

 案じられたと言えば、冒頭で触れたこの日の仙台の空模様。犬鷲打線の猛打爆発に夢中になっている間は全く降らず、正直忘れていたのだが、最近の精度の高いハイテク天気予報さんの言う事に偽りはなく…

 20時を回ったあたりでぽつぽつと雨粒が落ち始めた頃は、現実逃避的に「これは自分の気のせいに違いない…」と思い込もうとしてみたが、21時前には誰がどう見ても雨、というもはや思い込みでどうにかなるような状況ではなくなり、8回表途中で遂に試合が一時中断。グラウンドからもスタンドからも一瞬で人影が消える。

 とはいえ試合は既に成立していたので、12年目に突入している「仙台まで行って雨天中止の憂き目を見ず」の連続記録は無事に継続となった。

 

 

 ダグアウトで待機中のバファローズの面々を覗いてみる。

 渋い顔の福良監督。対照的ににこやかなポンタ

 

 中断中の手持ち無沙汰にコンコースをうろついていると、こんなコーナーを発見。

 「GIRL」の文字は読めないふりをして、堂々と写真撮影に興じたりして時間をつぶす。

 

 松井裕樹君といちゃついたりしているうちに雨脚も弱くなり、34分の中断を経て試合再開。再開したらスタンドの観客は半分消えていたが…。

 

 

 8回途中2失点の好投を見せた美馬投手は、中断明けに青山投手に交代。その青山投手がきっちり試合を締めて、イーグルスが11-2の大差で勝利!

 贔屓チームの本拠地での勝利という、生観戦でこれ以上ない喜びを味わう事が出来、途中の若干の雨など全く気にならぬほどに心の底から満喫できた、今季最後(多分)の仙台遠征

 わざわざ交通費をかけて雨雲に突入し、ただ観戦勝率を低下させるのみ…、という踏んだり蹴ったりな事にならず、本当に良かった…。

 

 9月に2勝を挙げたおかげで、最終的に全6試合で2勝4敗という成績となった、2016シーズンのKoboスタ宮城でのご贔屓イーグルス観戦。来季こそは勝ち試合が多めになる事を願いながら、今季最後(多分)のKoboスタ宮城をあとにしたのだった。

 

 

 野球関係ない余録になるが、今季の最後にKoboスタ宮城で済ませてきた「初体験」の話を、次回少々させて頂く。

 

 

 残り試合数がひと桁のチームが増えてきた、レギュラーシーズン最終盤戦。全球団の順位が確定する最後の最後まで、引き続き皆様の当スタジアムへのご来場を心よりお待ちしております。