日本と韓国、勝つのはどっちだ?・その2 | 真面目に脱線話@リンガランド英語塾

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英語や芸能など、思いついたことを適当に書いていくという、そういうブログです。

話がすこし寄り道する。



中国がA級戦犯の合祀で靖国参拝を抗議を開始したのは、1979年の合祀からしばらくたった1985年からである。そのあいだの大平、鈴木両内閣のときは抗議はなかった。しかも、抗議されたのは「首相の参拝」であって、それ以外の参拝はとくに言及されることはなかったのである。



では、なぜ中国が靖国参拝を抗議しはじめたかというと、そのこと自体を不満に思ったというより、中国にとって不満を明確化することによって、尖閣問題とともに、靖国参拝を対日外交を有利にするための外交カードにするためだ。



相手に外交カードをみすみす渡すなど考えると馬鹿なことをしたものだが、当時は、朝日新聞や日教組などのリベラル派の影響力が相当あり、「戦前に迷惑をかけた中国に対しては日本が譲らなければならない」という空気が支配していた。中国外交に屈したというより、「国内の空気」に屈したのである。



また、A級戦犯合祀の批判ももともとは朝日新聞などが始めたことで、中国はそれにうまくのっただけである。もともとは外交問題ですらなく、国内問題の延長として中国に利用されてしまっただけのことだ。


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ところで、実際に靖国神社に行くと、境内の中央に大村益次郎の銅像が高々と飾られているのに驚いた方もいるかもしれない。司馬遼太郎の名作『花神』でも描かれているように、彼は医者でありながら日本軍の近代化に尽くし、戊辰戦争を短期間で終わらせた新政府の大功労者である。



靖国神社の元になった鎮魂の場は、この大村が提案したものだ。



きっかけは長州征伐や戊辰戦争など、幕府軍との戦いで亡くなった人たちを鎮魂するためだったが、その後も靖国神社は「国を守るために戦った人たちの神社」として発展し、現在に至っては特別な存在になっている。



その歴史の途中で、「国軍」に逆らった白虎隊などの旧幕府軍や西南の役の薩摩軍などはどうなるんだというのが問題となった。しかも、靖国神社から弾かれた薩摩軍を率いたのは、新政府の大功労者である西郷隆盛である。



また、沖縄のしらゆり部隊など、直接は戦っていないけれど、国のために尊い命を落とした人たちのことも問題になった。しらゆり部隊については国民から嘆願などもあり問題なく合祀されたが(あとで遺族の抗議があった)、旧幕府軍などについては日本らしい解決法をとった。



それは靖国神社境内の本殿とは別に鎮魂社に設けてまつるという方法である。



実はA級戦犯もこれとほぼ同じ問題である。



戦犯にされた政治家や軍人は、不幸な戦争で亡くなった人たちを指揮した人なので、その原因を作ったとも考えられる。では、本当にその人たちがあの戦争を止められたのかと考えると、1人1人の個人の力でどうにかなるとも思えない。



そこで、同じ「国のために命を落とした人」として合祀した。



「分祀」という灰色の結論を避けて、きっぱりと判断したわけである。旧幕府軍たちを鎮魂社にまつるといった「差別」をしたことに対する「反省」からではないかと思うが、結局これがのちに日本外交の首を絞めることになる。



以上のように、日本政府の要人が靖国神社に参拝するというのは、現政府の源から続く伝統であって、そもそも問題にされるようなことではない。もちろん、日本には信教の自由があり大臣が「参拝したくない」と言ってもなんら問題はない。



ただ、中国に外交カード化された現在では、参拝しないことが「中国に屈した」と見られて、その結果、国内の一部からは「反日的態度」と見なされるというややこしい状態に陥っている。


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前置きが長くなった、ここからが前回の続きである。



韓国は大統領就任式で麻生大臣から「失礼千万な言質」をとり、その「失礼な大臣」が靖国神社を参拝したということで、韓国マスコミによる大批判が始まって、やがて反安倍の大合唱が巻き起こる。



麻生大臣は高い外交能力を有している。さきごろのG20では、黒田日銀総裁とダグを組んで、アベノミクスにともなう円安を容認させ、中国と韓国の声高な抗議を封じた。これによってアベノミクスはスムーズに進められ、日本経済復活へのシナリオを進めることができた。



麻生大臣は日本では珍しく帝王学を学んだ器の大きな人物だ。この点は「サラリーマンの子」を自慢して、結局、有事にヒステリーを起こして日本を停滞させたある総理大臣と比べてもらえばわかるだろう。政治家としては一流である。



ただ、その大きな器は言葉と言葉が人間性とともにぶつかり合う欧米などとの交渉では効果を上げるが、揚げ足を取ろうと罠が張り巡らされているぎりぎりの場には無力である。麻生大臣のそういった部分を韓国政府は綿密に調べ上げて、今回の外交戦略に利用したわけである。


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経済的な利益を考えて実は内心は日本と協調したかった中国も、韓国に呼応せざるをえない。なぜなら、「靖国参拝は悪」を定義したのはもともと中国だったからだ。安倍首相自身は中国に配慮して参拝を見送ったにもかかわらず、中国も韓国とともに一大抗議を開始する。



また、韓国は従軍慰安婦問題を利用して、アメリカで反日ロビー活動を辛抱強く繰り広げている。しかも、「従軍慰安婦」に彼らはsex slavesという刺激的な英訳をつけて、人権に敏感なアメリカの要人たちに働きかけつづけたのである。



今回の日韓首脳会談でもわかるように、アメリカ大統領に対しても、会談と全く関係なく「日本は歴史を正しく認識してない」と言い続けるのが韓国流である。陰でも日なたでも言い続ける。何年も何十年も。これは時の韓国大統領が親日であろうと反日であろうと変わりない。



また、それをやっているのは倫理的にどうかという問題ではなく、それが自国の利益を守るための外交戦略であるからにほからない。



その結果、アメリカ国内でも「日本は戦争の反省が足りないのではないか」という空気が醸成され、実際、クリントン国務長官がsex slavesという言葉を使って日本に対して苦言を呈するなど、韓国のロビー活動は着実に効果を上げている。



麻生大臣の靖国参拝によって、韓国は中国とアメリカを巻きこんで日本の孤立化に成功する。ここまでの日韓外交は文字どおり韓国側の勝利だ。



続きます。



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