地球が1年かけて太陽のまわりをひとめぐりするとき、金星は225日かけて太陽の周囲をまわります。
地球が8年で8周するとき、金星は13周。
ぐるぐると太陽の周囲をまわる地球と金星は、その途中で何度もめぐり合います。
およそ1,6年に一度めぐり合うふたつの星が会合するのは、8年のあいだに5回。
この5回の会合地点を天空上で結ぶと五芒星が浮かび上がります
このとき、太陽と金星と地球が一直線に並ぶことを『金星の日面通過(ヴィーナス・トランシット)』と呼び、2004年6月8日と2012年6月6日にそれが起こりました。
13と8をめぐる物語
現在は太陽と金星と地球との間にズレがあるため、一直線に並ぶわけではありませんが、地球と金星はめぐり合いを続けています。
金星の日面通過後の最初の会合は2014年1月11日。
2回目の会合が2015年8月16日
このまま2020年まで、地球と金星は天に五芒星を描き続けます。
五芒星が地上にもたらすものは、黄金比という美しい生命の神秘。
地上の生命の営みやカタチのそこかしこに黄金比は現れます。
貝の巻く角度、花が開く角度、目から上と下の比率、乳歯と永久歯の数、ひじから手首と指先までの比率、ヘソから上と下の比率、DNAの螺旋構造……。
まばゆいばかりの輝きを天に放つ金星は、古代からヴィーナス、アプロディーテ、イシュタルといった女神や『輝けるもの』の名を持つルシフェルの象徴とされてきました。
釈迦が悟りをひらいたとき、背後では明星(金星)が輝き、空海が悟りをひらいたときも口に明星が飛びこんできたという逸話があります。
地球より太陽に近い金星は、わたしたちが地上の営みや神秘を感受して、人生に目醒めていくことをうながしているのかも知れません
占星術の世界では、わたしたちの内なる意識と惑星とが共鳴して、さまざまな性質が彩られていきますが、金星と地球との共鳴は14歳頃からはじまり、42歳頃に完成されていきます。
思春期に生じる『わたしは誰なのか』という自問。
現実と理想と期待とのギャップ。
実社会のなかで現実的な体験を積み上げることで、わたしたちは少しずつ、自分自身の本質と向き合っていきます。
33歳に自我意識によって人生を創造する力を獲得すると、そこからわたしたちは他の誰とも違う自分だけのオリジナルの人生を歩み始めます。
自分自身と向き合い、内側で生命の不思議や宇宙の神秘を体感するとき、わたしたちの霊的な進化がうながされるのかも知れません。
幾層もの歴史を積み重ね、感情の上に数多の命を積み上げて、わたしたちは進化する。