免疫療法・・特に
有効性が確認されている免疫チェックポイント阻害薬のすごい所
それは、副作用の少なさ
2015年に肺がん治療で免疫CP阻害薬を導入し
非小細胞肺がん治療(金魚父はこのタイプ)では
殺細胞性抗がん薬はもはや脇役へ転落
CheckMate-017試験(治療歴のある進行扁平上皮NSCLC患者を対象にニボルマブの有効性を検証した有名な試験)では
グレード3/4の有害事象の発現率は対照のドセタキセル群が55%
ニボルマブ群では7%
治療関連死は、ドセタキセル群では2%
ニボルマブ群では無し
すごくないですか
しかし、免疫チェックポイント阻害薬では
「その副作用がいつ起こるのか、どこに起こるのか予測不能」
という問題がある
ニボルマブ(オプシーボ)では
甲状腺機能異常、腸炎、下垂体炎、皮膚炎
日本人で頻度が高い間質性肺炎が有名
その上、数が少なくても、重篤な自己免疫疾患もある
たとえば
筋ジストロフィー、重症筋無力症、劇症1型糖尿病
サイトカインストームによるDIC(播種性血管内凝固症候群)
命に直結する
九州大学では免疫CP阻害薬の副作用の早期発見のため
診療科・職域横断的な診療体制が重要と
「免疫チェックポイント阻害薬適正使用委員会(Team ICI)」を創設したらしい
https://medical-tribune.co.jp/news/2017/0324506771/
九州大学大学院胸部疾患研究施設では
患者の自己チェックの副作用確認シートも作成
順次公開してくれるみたい
小野薬品工業やメドピアのホームページなどで順次公開予定
これからは要チェックですね
そして、投薬を受ける施設も重要になりそう
すでに、「適応外使用、がん免疫療法との併用について」は注意文書が出てる
こういう文章・・・仲間のみんなにはちゃんと届いてるかな
https://www.opdivo.jp/contents/pdf/open/op_yv_patients.pdf
一部、重要な点-上記の注意文書からの抜粋-
特に、間質性肺炎、甲状腺機能異常、劇症I型糖尿病、自己免疫性腸炎、重症筋無力症などが約10%の患者さんにみられ、死亡例の報告もあります。
そのため、施設要件(投与を受けても安全である施設)、医師要件(処方をされても安心できる医師)を厳格に定めて、国内の薬剤供給が行われています。
しかし、施設要件、医師要件を満たさない施設・医師が、国内 販売企業を通さず、海外から個人的に輸入した免疫チェックポイント阻害薬を添付文書とは異なる用法・用量で適応症以外の疾患に 投与する事例が散見され、副作用に適切に対処できないなど、大きな 問題となっています。
本剤の投与に際しては、添付文書においても、「緊急時に十分対応できる医療機関において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで投与すること」とされております。
また適応症以外の疾患に対する投与は原則として治験や臨床 研究として行われる場合に限られるべきで、倫 理 審査委員会などによる第三者からの投与の適切性の評価が必須とされています。
患者さんにおかれましては、有効かつ安全に投与できる要件を満たす施設・医師のもとで、適切な投与量・投与方法にて免疫チェック ポイント阻害薬の投与を受けていただければと思います。
世の中では「免疫療法」を名乗る療法が増殖中だけど
本当に有効なレベルで、免疫機能をいじるということは
相応なリスクを伴う
医療界でも、とても慎重に扱わないと・・という認識が広まりつつあり
私達もかしこくならないとね