こんにちは、リブラです。
今回も、ジェームズ・クリアー著「複利で伸びる1つの習慣 Atomic Habits」の解説をしていきます。
第9章 習慣作りにおける家族と友人の役割
ハンガリー人のラズロ・ボルガ―は、「天才は生まれてくるのではなく、教育と訓練によって作られる」ことを実証するために「喜んで協力してくれる妻」を求め、教師のクララと結婚して、3人の娘スーザン、ソフィア、ユディトを授かりました。
ボルガ―は子どもたちをチェスの天才にするため、家をチェスの本や有名なチェスプレーヤーの写真で埋め尽くし、子どもたち同士に毎日チェスをさせ、いい試合に出場させ、競争させました。
この一家の生活は、すべてチェスのために捧げられました。
長女のスーザンは、4歳でチェスを始め、6か月で大人を負かすようになりました。
次女のソフィアは、14歳までにチェスの世界チャンピオンになりました。
三女のユディトは、12歳で世界のトッププレーヤー100人のうちに選ばれ、女性チェスプレーヤー世界第1位の座に27年間君臨しました。
インタビューで姉妹たちは子ども時代のことを楽しいものだったと語り、3人ともチェスが大好きで、飽きることがなかったと言いました。
ボルガ―姉妹は、チェスを何よりも優先する文化の中で育ち、チェスで称賛され、チェスで報酬を得ました。
彼女たちの世界では、チェスに没頭することは「ふつう」のことでした。
このように自分の文化の中で「ふつう」なら、それは魅力的な行動のひとつになります。
生物学者のダーウィンは、「人間の長い歴史の中で、協力と適応を最も良く学んだ者が栄えた」記しています。
人間の深い願望のひとつは、何かに属し、そこに協力し適応することです。
チェスの技で褒めてもらえる家庭で育ったら、チェスをすることは魅力的になります。
行動は、まわりに溶け込むのに役立つとき魅力的になります。
わたしたちは、①近しい人たち→②多数の人たち→③力のある人たちのグループに属し、魅力的に感じることを無意識に真似るのを「ふつう」と捉え行動するうちに大きな影響を受けます。
良い習慣を身につけるのに最も効果的なのは、望ましい行動が「ふつう」の行動である文化に加わることです。
仲間に属することほど、モチベーションを保つものはありません。
個人的に追い求めるものが、仲間と一緒に追い求めるものに変わります。
そして、「わたしは読書家」「わたしは音楽家」「わたしはアスリート」が、読書クラブやバンドやサイクリングクラブに入ったら、アイデンティティがまわりの人とつながり、「わたしたちは読書家」「わたしたちは音楽家」「わたしたちはサイクリスト」となります。
共有するアイデンティティが、個人のアイデンティティを強化するようになるのです。
さらにグループに溶け込み、一体感を覚えるようになると、そこで尊敬や承認や賞賛や地位を得られる行動に魅かれるようになります。
いったん溶け込んだら、今度は目立つ方法を探しはじめるようになります。
群衆から区別される「特別さ」を望むのです。
そこで、力のある人や尊敬する人や優秀な人を真似て、尊敬や承認や賞賛や地位を得られるよう行動することに魅力を覚えるようになるのです。
良い習慣を効率良く身につけるには、アイデンティティを共有できるグループに属して溶け込み、既に尊敬や承認や賞賛や地位を得ている人々(力のある人たち)のグループに属し、真似てみることです。
いったん、それに溶け込んだら、今度は、自分がそこで際立つ方法を独自に探し始めることになるでしょう。
その行動が唯一無二のアイデンティティの発見につながります。
ー「複利で伸びる1つの習慣」より引用ー
わたしたちは、精神的な成長に応じて欲求を進化させていきます。
マズローの5段階欲求によると、下記のような段階を経て進んでいきます。
①生存欲求(生存に関わる生理的欲求)
↓
②安心安全欲求(危機を遠ざけ安全を確保することへの欲求)
↓
③所属欲求(組織やグループなど社会に所属することへの欲求)
↓
④承認欲求(他者承認~自己承認に対する欲求)
↓
⑤自己実現欲求
群れの中に所属したい、したくないは、ある程度好みの問題かな?と思っていましたが、「チェスの天才」を意図的に生み出した家庭の例を見ると、③所属欲求→④承認欲求→⑤自己実現欲求に至る自然な成長欲求の効果に驚きました。
精神的な成長の欲求で操るなんて、わたしたちの潜在意識はよくできたシステムなんだろうと感心します。
遊びの一環として楽しむものならば、ストレスはなく、自発的になります。
5段階のうち、①生存欲求と②安心安全欲求は、生き残っていくために最低限満たさなければならない欲求です。
③所属欲求→④承認欲求→⑤自己実現欲求は、必須というより、よりクオリティの高い人生を求めるときに現れる欲求です。
本来わたしたちが自然な成長欲求のプロセスを踏むならば、①生存欲求~⑤自己実現欲求に至るのは必然です。
しかし、わたしたちの社会を見渡すと、①生存欲求と②安心安全欲求を満たすだけの働いて終わりの人生が当たり前になっています。
①生存欲求と②安心安全欲求がある程度満たされているにも関わらず、③所属欲求まで行くと、また、②安心安全欲求が気になって戻ってくるというのを繰り返しいるケースを多く見かけます。
これはどういうことかというと、所属するグループの文化のせいかな、と思います。
一般の家庭では、とにかく、「安定した収入を得る」ためにあらゆる努力をし、結果を出すことを強いられ、それができないと「無価値」の烙印を押される環境で育ちます。
「安心安全欲求」が満たされていたらそれでいいというグループに所属していると、「安心安全欲求」を満たすことに努力するのが「ふつう」の文化になります。
望んだ人間関係で作るグループなんて夢みたいに感じ、そこで承認欲求を満たすことなど夢のまた夢になり、自己実現欲求なんてどうやっても湧いて出ることはないような状態になります。
「チェスの天才」を生んだ家庭では、「チェスをやりなさい!」も「試合に勝ちなさい!」も親はいいません。
「チェスで楽しく遊ぶこと」がこの家族の文化だったわけです。
チェスという共通の文化で一家の絆がしっかりつながって、所属欲求が満たされていたのです。
だから、この三姉妹は、家庭内で①生存欲求→②安心安全欲求→③所属欲求の段階まで進み、チェスの試合に勝っても負けても心を左右されない④承認欲求越えを果たし、好きなことで自分らしさを発揮したいという⑤自己実現欲求が現れるに至ったのでしょう。
楽しく遊ぶことを許さない家庭で育った人は、意識して所属するグループを選んでいかないと、「遊びは後回し」という観念から抜けるのは難しいでしょう。
わたしも子ども時代からずっと言われ続けていた言葉は、「喰いっぱぐれることがないように」でした。
だから、40代ぐらいまで「仕事が優先」、「遊びは後回し」という観念に支配されていました。
でも、長年勤務していた病院がリーマンショックで銀行の貸しはがし倒産に遭ったとき、仕事の後回しでも続けてきた占星術が希望の光を与えてくれました。
占星術やタロットや心理学を学び続けて来れたのも、それらを通じて知り合った人々の支えがあったからです。
仕事以外で作る人脈は、いつもスピリチュアルな考えに共鳴する人々ばかりでした。
だから、困ったときに迷いなく、自分のホロスコープを眺めて進路を決められたのだと思います。
2室(所有のハウス)に変革の天王星が入って来てるのだから、起こるべくして起きた転機の到来なんだと受け止めたら、前に進み行動する勇気が湧いてきたのです。
これからは、「やりたいことを最優先で生きよう!」と変わりました。
占い師起業して、やっとジョーゼフ・キャンベルが「進路に迷ったら、至福を追求しなさい」と言っていた意味も、5室(至福と創造性ハウス)と6室(貢献のハウス)の境界線付近にあるわたしのドラゴンヘッド(魂の目的)の意味もやっと実感できました。
次回も「複利で伸びる1つの習慣 Atomic Habits」の解説を予定しています。
わたしのサロン、リブラライブラリーではあなたの心のしくみをホロスコープで解説し、心の制限、葛藤が引き寄せる現実問題にセルフヘルプで立ち向かえるようサポートします。
詳しくはこちらをご覧ください。
新メニュー(月の欲求・土星の制限の観念書き換えワーク、キローンの苦手意識を強味に変えるワーク)が加わりました。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。