小刻みに震えながら宙を舞っている冬の粒子は、ファンヒータが始動すると、邪魔臭そうに押しやられ、冷たい気持ちを抱えながら隅に吹き溜まっておりました。
彼らが寝静まるまで、冷たい夜が広がるまで、黒いフードをほっかむり、じっと隅に吹き溜まり、冷たい気温が勝るまで、焼けるような嫉妬を抱えたまま、黙って待っておりました。
いつしか夜は暗闇に、音も無くなる深夜になると、震えながら宙を舞う冬の粒子が辺りに散って、私が動くたびに何かを懐かしむように、嫉妬心に縋りついてくるのでした。
彼らが憎くてならなくて、冷たい夜に彷徨うと、すっぽり冠ったフードの中に冷たい粒子が入り込み、ずっと奥の私の心、冷たい残酷が佇む深い淵、赤く爛れた醜い場所を優しくさすってくれました。
突然、震えるように悲しみがドロドロ溢れ出すと、冬の粒子と結合し見事な六角形の結晶をこさえると、漆黒の夜に浮かべては、全ての思いを流してしまうのでした。
いつしか深夜は深まって、白く色が付き始めると、黒と白の境界線、次第に溶けて交合うと、見事な朝に変化して、さっきまでの昨日を全て変化させてしまうのでした。
ブルブル震える体を抱いて、宙を舞ってる冬の粒子を眺めていましたが、ファンヒータが起動すると、面倒くさそうに出ていく彼らに、何だか暖かい気持ちを感じてしまうのでした。
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