最近つくづく思うのですが、日本共産党は保守政党であり、自由民主党は革命政党であると思います。
逆ではないかと?
確かに日本共産党は革命を主張していますし、自由民主党は保守を自認していることは間違いありません。
しかし、このことを憲法秩序という点から考えると、話は違ってきます。

ご存知のように、日本共産党は日本国憲法を守ることを主張しています。また、日本共産党の主張の根底にはマルクス主義と並んで常に日本国憲法があります。憲法第9条の平和主義、憲法第25条の生存権などが。
また、日本共産党の主張する「革命」という言葉の意味をよく考えてみると、政治の発想の大幅な転換という比喩的な意味はあっても、政権を転覆するという意味は全くありません。
日本共産党の主張は完全に立憲政治そのものといえましょう。

それに対して、自由民主党は改憲を主張しています。
一見「憲法改正」という形をとっていますが、その実態は「新憲法」の制定です。最近自由民主党が発表したものは「新憲法草案」であって、「憲法改正草案」ではないことにそのことは顕われています。
「新憲法」の制定ということは、それは同時に「現行憲法」の廃止ということです
「現行憲法」を廃止して全く異質の「新憲法」を制定することは、憲法秩序という面から考えると、政変があったということ、言い方を変えれば一種のクーデターとの評価ができます。
この点から考えると、自由民主党は立派な革命政党ということになりましょう。

というわけで、立憲政治の枠内に収まっている日本共産党は保守政党、憲法秩序の転覆を主張する自由民主党は革命政党との結論が導かれます。
日本共産党が「革命」という表現を用いて、自由民主党が「保守」という表現を用いているので誤解されている面があると言えましょう。

最近、従来自由民主党を指示してきた保守層と日本共産党とが接近している動きがあることも、この点で納得ができると思いました。


こんなことを以前匿名ブログで書いていたので転載しました。

基本的にこの見解は変わっていません。

あえて付け加えて言えば、民主党も自民党と同質であるし、公明党も自民党に追随しているので同質といえるということでしょうか。

本来ならば日本国憲法にのっとった政治を主張することが保守本流であるべきなのですが、保守本流という言葉が別の意味で用いられているようです。

立憲主義にのっとった保守政党というのが存在しないのが、日本の政治にとって不幸なことと言えると思います。